第15話(後編)――「廂軍《シャンジュン》の再生」
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『忘れられた皇子』(第十三章第15話)【作品概要・地図】です。
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『忘れられた皇子』(第十三章第15話)【登場人物】です。
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前書き
心を裂く別離を経た
本文
やがて庭に静寂が戻る。
それより前、
玉座の間は、砥いだ玉石の床が冷えを宿し、龍文の幔幕が微かに鳴った。香炉の沈香は深く、音はすべて澄んでいる。そこで
「我が軍は強固でなければならない。北宋が滅んだのは、地方軍を軽視しすぎたからだ。もしも中華統一がなされず、北宋が存続していたならば、遅かれ早かれ後に現れる北方の国により滅びていたことだろう。お前はそうならぬよう、よくよく
命を受け、
「これが
兵の列のなかに、ひときわ目の覚める動きを見せる若者がいた。16歳の
「
「はい、将軍!」
「お前を
指名の瞬間、
改革は、朝の冷気とともに始まった。夜明けの粥鍋が湯気を上げ、塩気のきいた沢庵の香りが粗卓に広がる。食を終えると、槍術、弓術、陣形――基礎の基礎を、日が昇って沈むまで叩き込む。
「お前たちはただの農民ではない。兵士として戦い、生き残る術を学べ!」と
数ヶ月が過ぎ、空は高く、雲は薄くのびる季節となった。視察に訪れた
「ふむ…」と、
「陛下、
「よくやった。これで地方軍の力が強化されれば、我が国の守りも盤石となる」と皇帝は応じ、視線を新任の小隊長に移した。
「お前が新たな指揮官か」
「はい、陛下!」
こうして、
後書き
汗と泥にまみれた日々の鍛錬の果て、無秩序だった兵は次第に規律を取り戻す。数ヶ月後、
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