第29話

「梓、そろそろ寝た方がいいんじゃない?明日も学校だし。」

「そうだね、お母さん。おやすみなさい。」

「おやすみ。」

「おやすみなさい。お父さん。」

「2人もゆっくりしていってくれ。」

「ええ。お気遣いありがとうございます。」

「じゃ、私も失礼しますね。梓行こう?」

「うん。」



井口さんはいつも使用人や護衛人の人たちの部屋を使う。

音々の仕え人でもあるし、そこじゃなくてもいいと思うんだけど、そこは譲らないらしい。それに、りょうちゃんもそう。


まあ,いいんだけど。



「音々、どうして急に今日…?」

「だって早く会いたかったから。」

「…そう。」


真顔で言われると聞いたこっちが照れるからやめてほしい。


「これからが楽しみだね?」

「…まあ、そうだね?」

「っあ〜、かわい。」

「ちょ、なにしてんのっ。」

「キッス〜。」

「もおっ!」


まだ廊下で誰が見るかもわからないのに音々が飛びついて来て、頬にキスまでして来た。



「ほらっ。もう部屋だから!入ってよ!」

「は〜い。」

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