第6話
何となくそんな予感がした。
夏に帰って来ると言っていた男。
もう一人の、帝王。
その男の姿はまだ見たことはないが、
何となく直感でそう思った。
「アナタが、チヒロさんですか…?」
そう言って立ち上がった男。
サラサラの黒髪に、
眼鏡をかけ、
切れ長で黒髪と同じ黒い瞳。
形のいい唇と整った鼻。
「どういうこと!?柾木さんじゃん?」
困惑してわけがわからなくなってるマコ。
でもマコの声は私の耳には届かなかった。
「楢崎、チヒロです…。」
気づけば、そう挨拶していた。
「柾木、龍也です。」
そう言ったタツヤの目は、
隼人のものより穏やかだった。
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