鏡の中にいる可愛い女の子は「ボク」 1
@toshiko1955
第1話 鏡の中にいる可愛い女の子は「ボク」 1
僕には3歳違いの兄がいます。兄は身体も大きくスポーツ万能、しかもイケメンで、高校の頃は学校中の女子から注目されるほどの人気者でした。それに比べて僕はすべての面で兄には劣るのでよく比較され、それが辛くて同じ高校に入ったのを随分悔みました。だから僕は兄と同じようにスポーツに打ち込むのはやめ、絶対に兄が進むことのない美術の道を選びました。だから、いつも一人で絵を描きながら過ごす時間が多くなっていきました。
僕が選んだ将来の希望はイラストレーターです。毎日にように可愛い女の子の絵を描いているうちにいつかそれを自分の姿に置き換えて、「いつか僕もこんな可愛い姿になってみたい」と思うようになりました。僕の体格は兄とは全く違い、小柄で顔つきも中性的なので、髪を伸ばしていると後ろから女の子に間違われて男の子に声をかけられたことがよくありました。
そして、僕は思い切ってネットで女の子の可愛い下着や服を買い、化粧道具を100円ショップで買い集めると夜こっそりそれを身に着けてみました。すると、鏡に中に映った僕の顔は今まで自分が描いていた可愛い女の子の顔に変わっていました。「これが本当に僕?」と思うと嬉しくなりましたが、そんな恰好で外に出るような勇気はなく、夜に両親が寝てしまった後に一人で女装するのが楽しい時間になりました。
兄は高校を卒業すると東京の大学へ進学するために家を出て一人住まいを始めたので、夜こっそり女装をしても見つかることはありません。だから、僕の部屋には女の子の服や下着がどんどん溜まっていき、引き出しは化粧道具で一杯になっていきました。でも、夏休みになると兄が家に帰ってくるのです。
いつものように僕が夜女装をして大きな全身の見える大きな鏡に自分の姿を映していると、いきなり兄がドアを開けて入ってきたのです。兄は「半年ぶりに家に帰ってみるとお前の様子が以前と変わっているのを感じたんだ。でも、今お前の姿を見て分かった。これがお前の変わった原因だったんだな」と言うといきなり僕の身体を抱きしめてベッドに押し倒されました。そして、その晩、僕は兄の女にされました。
初めて身体を奪われ、女にされた相手が兄だったのは少しショックでしたが、それから僕の女装は更にエスカレートして行きました。古着屋で見つけたセーラー服がどうしても欲しくて貯金をはたいてそれを買い、夏休み中にそれを着て東京の兄のアパートに行きました。兄は僕の姿に少し驚いたようですが、「とても可愛いよ。静」と言ってくれました。
僕の名前は静雄です。兄は僕が男でなくなったので名前から雄を取り静(しずか)と呼ぶようになりました。しかも驚いたことに兄は女性と一緒に住んでいたのです。そして、彼女は僕のことを妹のように可愛がってくれました。新しい下着を買ってくれて、お化粧の仕方も僕に教えてくれたのです。でも、私と一緒にお風呂に入った時、彼女の秘密を知ってしまいました。彼女は実は女ではなく男だったということです。彼女はニューハーフヘルスで働いていてそこで兄に出会ったというのです。
ただし、僕と違うのは胸が大きく、お尻も大きくしっかり括れもあります。女性ホルモンを注射していて身体が女性化しているのです。ただ、下半身にはメスを入れていません。風俗で働くには男性の部分が残っている方がお客が喜ぶので、性転換はしないというのです。そんな彼女と兄はまるで夫婦のように夜は僕が隣の部屋で寝ているにもかかわらず、営みの声が毎晩漏れてくるのです。
そして、彼女が出かけていていない時間には僕は兄に抱かれます。「お前も彼女も幾ら抱いても子供が出来る心配がないから最高の身体だ。大学に入ったらお前もここに来るんだぞ」と言ったのです。しかも、彼女も「家に帰ったら一生懸命勉強して、東京の大学に入るのよ。待っているから」と言ってくれました。
僕は夏休みに間、女なるための勉強を彼女からたっぷり仕込まれ、帰る時には来た時とは見違えるような可愛い女の子になって、またセーラー服を着て家に帰りました。今度は前のように周りにジロジロ見られることもなく、自然に電車に乗って帰ることが出来ました。しかも、駅で男の子から声をかけられ、嬉しくなってしまいました。
それから、僕は美大へ入るための勉強に打ち込みました。しかも、僕の投稿したイラストが雑誌に取り上げられたので、僕の将来への夢が膨らんでいきました。また、僕の姿は日に日に女の子のように変わっていったのですが、田舎の街では直ぐにそれが噂になってしまうので、早く兄のいる東京へ行きたいという気持ちが大きくなっていたのです。
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