第11話

「起きろ~!支度して、買い物行くぞ~」



やっぱり昨日もご主人が床で寝ちゃったから、一人(ホントは一匹だけど…)なかなか寝付けなかった僕が、やっと起きたのは、10時を過ぎてだった。

昼前に起きれたのが幸いだけど、せっかくご主人が休みで、一緒にお出かけの土曜日に寝坊したのはけっこうイタい…


とりあえず慌てて支度をする。

 下はご主人がちょっぴりキツいって言ってるジーンズ(裾を15cmほど折り返したけどまだ引きずってる)、上は薄いピンクのラインが入った黒のジャージと、黄色のTシャツ(どちらも僕には明らかに大きい)を借りた。

今日はご主人はダボっとしたジーンズに、青系のストライプのシャツで、なんか、爽やか系でカッコイイ。

まさか僕とデートだからおめかししたのかなっ?!なんて、ちょっと期待しちゃったけど、そんなわけないか…



 外に出ると、見事に晴れてて、暑いくらいだった。

 靴もない僕は仕方なく、ご主人のサンダルを借りたんだけど、歩きづらいし、たまに脱げる。

 足も軽く汗ばんでるから余計に。

 猫の方がやっぱり便利だなぁ…なんて思ってしまう。

「チャリで行ければ早いんだけど、俺、2ケツ苦手だからごめんな。ちょっと遠いけど、天気良いし、歩いてのんびり行こう。」

「うん、いいよ。私も2ケツとかしたことないから自信ないし、歩きの方がいいから。」

 ご主人となら、ゆっくりのんびり散歩しながら行くのも悪くないからね☆



 見上げると、ご主人の髪は、陽の光を浴びていつも以上にキラキラと輝いていた。

 柔らかな赤い光を纏っているように、見えた。

 そのせいもあってか、僕はまた改めてご主人を素敵だなぁと思ったのでした。

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