この世は不思議が多すぎる!
渡森ヨイク
第1話 ドッペルゲンガー
この世には自分と同じ顔をした人が3人いる、という説があります。
実際に会うと片方が死ぬ、なんて恐ろしい話もありますよね?
で、ですね。
実はわたし、今までに4回ほど、「あなたにそっくりな人を知ってる!」って言われているんです。
3人どころか4人。
おいおい、ちょっと多すぎやしない⁉ 全員でいっぺんに会うとどうなるの⁉
……そんなふうにツッコミたくなるありさまです。
というわけで、 記念すべき(?)第1回目は中学時代の塾でした。
わたしとは別の学校に通っている子に「隣のクラスの〇〇さんに似てる!」と言われたんです。
ですが、「今度彼女の写真を見せて!」と約束したのにそれは果たされないまま疎遠に。
2回目は他県に住む友人宅で、ちょうど居合わせた電気屋のおじさんに、「お得意さんちの娘さんにそっくり!」と言われました。
もちろん、電気屋のおじさんがその人の写真など持っているわけがありません。
3回目は職場で、「沖縄で知り合った、名古屋で公務員してる女の子があなたにそっくりだった!」。
でも特に写真は撮らなかったそうです。
4回目はひとり旅の途中、2人組の女性にホテルのレストランで声をかけられました。「どこかで会ったことありますよね?」と……。
4回目のエピソードについてくわしくお話しいたしますと、場所は東北。もはやライフワークの一環となっている、伝説探訪をしている最中でした。
最初は「あやしげな宗教の勧誘⁉」とめちゃくちゃ警戒したのですが、話を聞くとそうではない。ふたりともわたしと同い年で、そのうちのひとりが「あの人会ったことがある! でも思い出せないから声をかけてきていい?」と提案したのだそうです。
申し訳ありませんが、わたしは彼女のことを知りません。
生まれ育った場所や学校を聞いても重ならない……。
最後は相手も困ったのか、「ひょっとして雑誌に載ったことがありません⁉」なんて言い出す始末。
よくわからないままその場はお開きになり、これ以降、「わたしにそっくりな人」の目撃情報は途絶えたままになりました。
ところが……最後にひとつ。似た顔関係でやはり気味の悪いお話を。
きっかけは忘れましたが、小学1年生のときの集合写真を知り合いに見せたときのことです。
「わたし、どこにいるでしょう?」と尋ねたら、「そんなのすぐわかるよ」と。
で、わたしの隣に立っていた、わたしと同じ名前の子(漢字は違うが読みは同じ)を指さしたんです。
「これでしょ?」
「違う違う、こっち」
「え~⁉」
というやりとりのあと、別の人にも同じ質問をしたら、やっぱりその子を指さしてしまい……。
彼女、たしかこのあと転校したんだよな……でも今どこにいるんだろう? というなんともモヤっとした幕引きになりました。
自分と似ている似ていない以前に、そもそも過去と今とで自分の顔が違う?
小説と違ってリアルにはちゃんとしたオチがありません。納得できる理屈がほしいのですが、それすらありません。
もしこの話に続きができましたら、すぐにご報告したいと思っています。
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