2: 有名になってしまったAI

「ただいま戻りました」

『ただいまー』


 そう言って家に戻る二体。


「おかえりミライ、ノア。今日のダンジョン調査は随分なものになったじゃないか」


 そう言ったのは、白衣を着た男性。部屋には何かを映したモニターや色々な機械が置いてある。


「マスター、今日のダンジョン調査中に複数のモンスターに囲まれている女性を発見、直ちに救護に向かい、無事保護できました。」


 そうこの白衣を着た人物こそがミライやノアを作った人物であり、彼女たちのマスターである。


「そのようだね。彼女の配信にキミたちが映っていたから知ってるよ。」


『配信って?』


 ノアがそう尋ねる。


「これだよ」


 そう言ってマスターはミライたちにある動画を見せる。


「これって!?」


 そこにはミライが大量のモンスター相手に無双している映像だった。


『ちょっとこれどういう事!?』


 ノアが驚いたように尋ねると、マスターが笑う。


「ハッハッハ、どうやらキミたちが助けたのはただのダンジョン探索者じゃなくて、ダンジョン配信者だったみたいでね。あの時も配信してたみたいなんだ、それでキミたちが助けたところも見事に映ってしまったようだ」


「でもいいんですか、ノアが喋ってるから私たちがAIである事がバレるかもしれないんですよ!?」


 ミライがそういうとマスターは


「別に問題ないよ、キミたちがAIだとバレても私たちに被害は出ないよこの家だって認識阻害のプログラムを組んでるからバレないし、もし仮に尾行されてなどされたりして、家がバレたとしてもキーカードがないとこの家には入れないしね。それにキミたちだって問題ないだろう?だってキミたちの実力はS+すら上回る実力なのだから」


 この世界にはランクがあり上からS+、S、A、B、C、Dと存在するミライは表向きはAだが、実力はS+並に設計されている。ちなみにミライがAの理由はS以上になると国からの依頼があるために面倒なのだという。ノアに至っては球体なのでそもそも登録すらしてないのだ。


「まあ僕としては、いつかはこうなると思っていたよ」


「しかし…」


「いいじゃないか、どうだいこれを機にキミたちもダンジョン配信者になるっていうのは」


『はあ!?』「ええ!?」


 マスターが突拍子もない提案をして来て驚くミライとノア。


「悪い選択じゃないと思うよ、それにキミたちはあの配信で有名になった、きっと世界中がキミらに注目するよ。そうなるとね僕は嬉しんだ、自分が作ったものが世界中に見られるこんな素晴らしいことはないよ」


「しかし、AIだとバレれば私たちにリスクが伴います。もしかするとダンジョンを出禁にされることだって…」


「安心して、僕がそんな事はさせない。だからキミたちは安心してダンジョン配信者になるといい」


 ミライの不安に応えるマスター。


『何か考えがあるのね』


 ノアがそう尋ねるとマスターが答える


「ああ、ちょっと古い知り合いの伝手を使うだけさ、これでも僕は昔結構名の知れた人物だったんだよ」


『そう…なら、やろうミライ!』


 マスターの答えを聞いてやる気が上がるノア。


「本当にやるんですかノア!?」


「何よ、こんな楽しそうな事やるしかないでしょ。マスターがAIだとバレても問題ないって言ってるんだし」


 意外にもノアが乗り気だったのでもう断れないなと悟ったミライは


「わかりました…しかし最初の配信はあのダンジョンでいいですか?少し気になることがあるので」


 そう何かを諦めたかのように答えたのでした。


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ここまで読んで下さりありがとうございました。


第一話の時点でフォローや応援などが来て非常に驚いております。

四苦八苦しながらも書いて行きたいと思っているので是非フォローや応援をお願いします。

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