愚才な武人と天才娘達未来編
不自由な新自由主義の反乱児
第二章 アメリカの貧困、薬物との戦い薬物との戦い1
日本の復習が一段落つき、2週間が過ぎ3人はアメリカのワシントンに到着した。
チヅルがダレス空港に車で迎えに来ていた。
そこに一緒に居たのはジェシーと言うユニオンのスタッフだった。
美樹が【ジェシー、久しぶり元気だった?】とハグをする。美樹が最初に米軍での
ミッションをした時に出来た友人の一人だ。【美樹、大人に成って綺麗に成ったね】とジェシーが言う。そして【マスターヒロお久しぶりです】と挨拶する。
ヒロが【ジェシー、ウチの新人の春花だ、よろしく頼む】と春花を紹介すると
【可愛いハグして良い?】とハグをする。春花がハグをされて
【ジェシー胸大きい、美樹と違う】と正直な感想を言うと
【春花、そんなことは言っちゃダメなの、いくら誉め言葉でもセクハラだから】と
チヅルが注意する。【セクハラ難しい】と春花がこぼす。
天才なのに少しアホの子なのだ。
車に乗りチヅルが運転席、助手席にヒロが乗りその後ろに春花、
美樹とシェシー、が乗って、ワシントンⅮⅭに向かった。
ヒロが【ジェシーさつきはすまなかったな、春花はいつも美樹の貧相な胸しか知らんから】と言うと後ろから美樹がヒロの頭をはたき【完全にセクハラじゃん、アメリカで訴訟起こすから】と言う【春花が良くて俺がダメなのは差別だろ俺も訴訟するぞ】と言う。まるでどこかのカルト政党のカルト党首のようだ。
後ろでジェシーか固まり、春花は喜び美樹が怒っている。
なかなか良いチームに成りそうだ。
ヒロが【チヅル、ワシントンの様子はどうなんだ、現状の進み具合は?】と聞くと。
【順調に進んでいるけど、アメリカは思う以上に酷い状態だよ】と答える。
【報告は見たが薬物もそんなに酷いのか】と聞く【薬物、ホームレス、温暖化、
インフレ、分断、凶悪事件、狂ったアメリカがドンドン進んでいる】と言う。
【恥ずかしいわ、誇らしいアメリカがドンドン失われて行っている】とジェシーが
言う。【ジェシー、アメリカだけでは無い、日本も同じだ】とヒロが言う。
ユニオンが今アメリカでやろうとしてる事は、実は壮大な事業だ。
一つはホームレスの人たちの更生事業、薬物中毒に対する医療や医薬品の開発、
メンタルヘルスの専門的治療の拡大。
これらを、WHOの協力を得て有効な治療をユニオンの科学者を使い、
臨床する為と実際の治療とを重ねる病院を世界に作っている。特許を取りそれを
信頼できる医療機関に販売するシステムを構築するのだ。
実はそのためにホームレスの支援は大きく関わるのだ。
ホームレスの多くは決して元々ホームレスに成って居た訳ではない。
そして驚くことに高学歴だった者も中には居るのだ。ユニオンが今広げている
ホームレスのシェルターは実は日本のネットカフェを参考にシェルターを
色んな都市部に作った。また薬物を使っている人間はすぐにユニオンの医療機関に
入院させる。当然無料だがそれらは医療の治験データーとしてユニオンの製薬会社の有効なデーターとなる。それが後々収益に繋がるのだ。
またそのための資金は投資ファンドやドラッグストアー等から投資や基金で賄う。
クラウドファンディングの対価は新薬の販売権利で有る。勿論販売出来るように成るには各国の厚生省の認可が必要だが、これはWHOの協力を得て進める事が出来る。
それくらい先進国では薬物依存は深刻に成って来ているのだ。
今回、ヒロ達はシェルターやワシントン近郊のホームレスの人の中でネットが出来る人に仕事としてウーロンやタロットの情報を拡散する事である。
ただし、1日2時間1時間の時給は25ドルだ。そして拡散するサイトや相手は
予めAIで調べ尽くしている。AIで送る物も有るがAIの音声や文章はバカや猿ならそれで良いのだが、それでは真実味が出ない。AIの音声や文章はただの馬鹿誘導機械なのだ。ヒロはタロットの支持者ならそれで十分な気もしたがやはり、その任務にはそれぞれの文章力や知性が感じられた方が良いのだ。またそれを送るサイトや
場所別に文章を変える方が良い事は当然で有る。長文が読めない人達には解り安く。情緒が必要な人にはストーリーを添えて。それぞれAIがサイトや場所別に方向性を判別した物を人間が文章を作り広げるのだ。それと同時にウーロンの会社を自主退職や解雇された人達を探した。その人達をユニオンの人事部がスカウトして、
面接し新たなSNSのプラットフォームを立ち上げた。
そこは労働条件を本人の希望に沿い、人事部が契約して家庭環境に配慮出来る
システムを取ったのだ。また転職エージェントを使いウーロンの会社の幹部にも
アプローチした。優秀な人材を高収入で華僑の会社の役員として迎えたのだ。
これは先日、共闘をして戦ったワン一族のコネクションを使い電子部品や
電気自動車の製造販売のノウハウにも役立ったのだ。また彼らはウーロンの会社の
弱点やウイークポイントを知る事にも役立った。彼らの側近の噂や事実を聞き取り、それをネット部隊に拡散させたのだ。例えば安全検査の不正問題などが明るみに出て来た。それらはタロットと敵対する議員に流して連邦自動車運送業者安全局 に
調査させた。もしも、もみ消そう物ならその証拠を掴みネットで拡散していった。
ユニオンの本来の目的はウーロンやタロットを潰す事だけでなく、それを通じて仲間を増やすことだった。不幸にしてホームレスや薬物に犯された人も環境を変えれば
仲間として一緒に戦える人材に成れるのだ。何より過酷な経験を得てる事は実は人間としての財産に成る事が解って来た。強者で居続けた人間には無い強みが有るのだ。薬物から立ち直った人間には薬物の無い環境で介護や農業その人に有った職種で働いて貰う。病院の中でその回復度によりボランティアに参加してもらい、技術を学んで資格に挑戦してもらう。それらが繋がってユニオンの利益に成るシステムを
構築していったのだ。そして豊かな人からの利益を不幸な人に循環させる術式を
ユニオンは構築して行った。これらの任務の遂行の中心はチヅルとジェシーが行っていたが実は以前からアイデアをヒロが考え企画と計画をユニオンのコンサルと
それぞれの事業家が練って実校に移した。ジェシーは元米軍の女性准士官だったが、その後ユニオンの考えに賛同して働いて居る。ホームレス達の任務も手伝いながら、チヅルとヒロでエージェントとしての任務を計画した。
ターゲットはウーロンとタロットだけではなく。その他のタロットの側近だ。
ⅭIA長官のトンマ・キャリー氏は前テキサス州議員で前米国第一政策研究所の
代表だ。現在ⅭIAはやはり二つの派閥に分れⅭIAの中で勢力を争い有ってる。
そしてFBI長官のⅯ・ゲイン氏、少女売春の疑いを持たれたが起訴に至って無い。黒い噂の人物だ、ギャング組織とのつながりも取りだたされている。
移民排除の政策に活躍した人物でもある。その為に裏の組織も大きく二つの派が争い分裂が激しく成っている。そして中東特使のSトコフ氏、中東の戦争の発端の
エバの国の出身、中東戦争に強く関わっている。ヒロに取っては一番憎む相手でも
有る。ホームレスのボランティアのサポートや彼らを使ったネット戦略のサポート、薬物使用者をユニオンの病院施設に送る任務をやりながら、修行も欠かさない。
武術の修行は早朝に行う。毎日課題を決めヒロがプログラムを組む。
基本動作や型、套路20分、約束組手や推手20分ミット等を使った
打撃練習20分スパーリングやマスボクシング20分、武術と言うと毎日組手をすると勘違いする人も居るがそんな事は無い。本気の組手をすれば怪我が絶えない。
レガースやグローブを着けても生身の身体に直接打撃は怪我をする。
顔を腫らして仕事も出来ない。勿論組手も必要だが競技者と武術家は違うのだ。
毎朝の修行に加えヒロは筋トレを週4日入れる。以前は娘達もやらせていたが
今は自由にしている。美樹は筋肉が付くと女優に成れないとか、やりたがらない。
その代わりに1日2時間勉強をさせている。春花も教育プログラムにより、リモートで家庭教師を着けて勉強させているのだ。IQが200以上有るらしいがヒロは
信じない。IQ自体も信じていないのだ。また週に1日はシューティングハウスで
銃や兵器、武器等の練習も欠かさない。何より常在戦場なのだ。
アメリカに来て1か月がたった頃ジェシーの家に招かれる事に成った。
ジェシーはワシントン郊外のマンションを借りて夫と子供と3人で住んでいる。
夫も元軍人だが事務官で基地の経理を任されていた。名前をピーターと言って以前
ギャンブル中毒に成ってカジノギャングに借金をしてしまい、マネーロンダリングに
関わってしまった。ヒロ達はそれを突き止め戦争の資金源を止める任務に
着いて居た。ジェシーともその時の縁なのだ。ピーターは犯罪に関わったが
利用されていたと言う事でヒロが軍の司法に言ってギャンブル中毒の治療プログラムを受けて中毒者のボランティアをする条件で実刑を猶予するように司令官に
計らったのだ。ジェシーの賃貸マンションに行き部屋に入るとリビングに通された。80平米位の、こぢんまりした部屋だ。ピーターが部屋で待っていた。
【マスターヒロ、お久ぶりです、あの時はお世話に成りました】と言う。
【元気そうで良かった、ギャンブルから抜けられたのだな。あの時は
美樹が騙して術式に嵌めて悪かったな】と言う。【皆さんには感謝しています
あのままなら、きっと私は破滅して死んでいたでしょう。それにジェシーが
ずっと私をフォローしてくれて立ち直る事が出来ました】と言う。
【しかし、その縁で結婚までするとは不思議な縁だ、こんな可愛い男の子まで
授かり、人生何が有るか解らないものだな】とヒロが言う。
今、ピーターはユニオンのボランティア団体の経理の打ち込みをリモートでやりながら、子育てや家事をこなす主夫、兼リモートワーカーなのだ。
以前の事件はシンクタンクと投資銀行、裏カジノ、ギャング、東側とアメリカの戦争利権、色んな糸が絡み合っていた事件で多くの人間が巻き込まれたのだ。
その一人ピーターが立ち直った姿を見てヒロは嬉しさを感じると共に何とか戦争を
終わらせたいと思った。リビングダイニングにアメリカンのオードブルと思しき料理が並んでいた。ハマス(ひよこ豆ペースト)とトルティーヤ、アヒポキ(マグロ)
チキンウイング、海老のセビーチェ、オニオンとイカのリング、茹でタコのサラダとナチョス、チーズとジャムのカナッペが綺麗に盛られていた。チヅルがそれを見て【ピーター凄いね。こんな綺麗に盛り付けて、先生見て】と言う。
【アメリカ人にしてはやるなピーター】と言う【先生、それ差別だよ】と美樹が
言う。【そうか、すまん、男にしてはやるな】と言いなおす【それも差別だって】と美樹が言う。【難しいもんだな平等っていうのも】とヒロが言うと
【リテラシーが無いんだって先生】と美樹が言う。【すまん勉強する】
とヒロが謝る。どちらが師匠か弟子か判らない子弟だ。春花がそれを見て喜んで
居る。ピーターとジェシーの息子と既に仲良く成っている。春花は子供と言葉が通じなくても意思の疎通が出来る様だ、テレパシー的な能力が有るのかも知れない。
人の心に敏感なのだ。ヒロが土産に持って来たナパの赤ワイン、
シックスエイトとブッカーズを渡した。
ピーターが【アメリカの誇るべき銘酒ですね】と言うと【俺はタロットやウーロンを選んだアメリカの猿は嫌いだが、昔のアメリカの良き文化は大好きだ。だからジャズも昔のロックも尊敬している】と言う【古き良きアメリカですか】と聞くと。
【今も何処かに眠っている魂だ】と言う。【そういえばウイルソンさんからも定期的にお手紙頂くんです】とピーターが言う【良かった、お元気なのか、後遺症が心配だった。彼も巻き込んでしまった、危ない思いをさせたからな】とヒロが言う。
【ウイルソンさんには迷惑かけたのに、逆にいつも支えて下さったんです。毎年に
ゴルフコンペにも誘って頂いてます】と言う。彼は米軍OBの戦争で傷付いた
退役軍人や遺族をサポートするNPOの理事だった。
そこの資金も違法な武器売買の資金のマネーロンダリングに使われて居た。
そしてヒロ達と敵対する組織に証拠隠滅とNPO乗っ取りの為に毒殺されそうに
成ったのだ。マリアの解毒により一命をとりとめたのだった。マリアはユニオンの
創設者の一人でリーダーでも有り魔導士会のリーダーでも有る。ヒロは彼女を悪魔と呼んでいる。実は魔導士をタロットの後援会に潜り込ませている。ウイルソンの手紙をピーターがヒロに見せると、こう書かれてあった。【親愛なる友人、ピーター、
君たちが送ってくれるビデオレターをいつも楽しみにしている。君たちの息子が
健やかに育ち、私をグランパパと呼んでくれることが何よりも嬉しく思って居る。
近年ノースキャロライナも様子が変わり変な人間も増えている】
更に【陰謀とか書いたシャツを堂々と来てる老人さえいる。中東への武器供与がまた議会で可決されたが、嘆かわしい事である。本来、我が国の防衛の為の装備を中東の争いに供与する。そして我が国の誇り高い兵士たちの待遇は悪くなる一方だ。
インフレについて行けないのだ。古い友人たちに手紙を送りタロット政権に
成っての、この軍の状況を訴えて居る、君たちがボランティアと言う戦場で戦って
居る事を心より誇りに思う。またゴルフコンペで君たち3人に会えることを楽しみにしている】と綴られていた。ヒロは手紙と言うのも良いアイテムだと思った。
メール等は何とも味気ない。良く考えたらメールは簡単に遅れるが何とも心が
感じない。親しい人には手紙が有効だ、昔はラブレターなるアイテムは有効だった
では無いか。ホームレスやドラック中毒の人の厚生にも役に立つ、厚生している事を知らせる人が居るなら、それは後後、有効な社会復帰の手段になるし、手紙が帰ってくれば、そこから人脈も広がる。この活動が世の中に広がる切っ掛けにも成れば
狂ったアメリカが良くなる。勿論、そんな相手も居ない人も居るし、それを嫌がる人も居るから、その人間の意思は尊重する必要が有る。ヒロがウイスキーを飲みながら、手紙の有効性について話しているとチヅルが【それ選挙にも役立つかもね、
各州の議員や州知事、地方の市長たちに色んな情報を手紙で送り続ける。少なくともネットよりは信憑性が有るわ、魔導士達に相談するわ】と言った。
ヒロはこの広いアメリカで魔導士達がどんな動きをしているのか想像も
付かないが今回はマリアの本気が見られるかも知れないと思った。
美樹が【それって私の芸能活動に使えるかな、姉様】と言う。
ジェシーが【本気でコリアン女優に成りたいの?】と言うと【誰か先生の面倒見て
くれたら直ぐにも始めようかと思っているよ】と言う。
【俺の事は気にするな、ただ韓国の時代劇ドラマ見たが皆、胸も大きそうだったぞ、
胸は整形するのか?】と聞く。【ホント、変態なんだから、そんなとこしか見てい
ないの?韓国女優は皆演技力が凄いの、胸なんて演技でカバー出来るのよ】と美樹が言う。ヒロは演技で胸が大きく見えるとは魔導士以上の術式だな、と感心した。
二人ともアホ認定の武術家である。ピーターが【良いコンビですよね】と言うと
【コンビじゃ無い】と二人が言う。コンビネーションはピッタリで有った。
春花はピーター達の子供と遊んでいる、15歳に成ったが3歳の子供とも通じ合えるのだ。そんな楽しい時間が終わり。ヒロ達には次の任務が沢山待ち構えている。
数日後FBIのジャックに合う必要が有った。彼は元米軍の特別捜査官で
ノースキャロライナの基地の事件で合同で動いた人物だ。数日後ジャックに合う為
インターコンチネンタルホテルの近くのカフェで待ち合わせた。【ジャック、
久しぶりだな、俺のお陰でFBIの本部に転職出来たと聞いたが、
本当だったんだな】と言う【なんでヒロのお陰なんだ、俺の実績で転職出来た
だけだろ】とジャックが言う【お前の実績?笑わせるな、俺たちが動いたから
ギャングを逮捕も出来たんだろ、お前に手柄を取らせたのは俺のチームだ、俺にお礼の手紙も無いとは公務員は恩知らずばかりだな】とヒロが言う。
【急に良い情報が有ると言うから来たのに、文句を言う為来たのか】とジャックが
言うと【バカタレお前にメリットが有る情報をふんだんに持って来たんだ普通なら
100万ドルは頂く情報だぞ】と言った。一つはアメリカの麻薬組織の情報それと
繋がるルートの情報だ。中東のT国を通じて新たなルートをユニオンが
調べていたのだ。実は現FBI長官がギャングからオネダリを受け取って居たのだ。【お前反長官の一派だろしっかり隠密で調べて出世の糸口にしてくれ】とヒロが
言う。【本物なのか、ガセネタなら俺は首に成る】とジャックが言うと【ユニオンがガセを掴むか、ただユニオンが証拠固めに動けば、利害相反に成る危険が有るから
お前に譲るんだ】とヒロが言う【どんな利害相反なんだ】と聞くと【もう一方の組織に仕事を頼むからなその条件でお前に頼むんだ】と言う。
【なんだなんか益々、ヤバそうに思えて来た】と言うとヤバくは無い、
その仕事はⅭIAの外部組織からの依頼なんだ、ⅭIAからも応援が来る本来は
ジャンが動く仕事だが奴も今は他で忙しい、もう一つお土産が有るこれもユニオンが掴んだ写真のデーターだ、ただし絶対事務所や人の居る場所で開くな、開くと逮捕
される】と言う。【何のデーターだ?】とジャックが聞く【見れば解る、どう使おうがお前の自由だ、ただし、ここぞと言う時以外は使うんじゃない、お前の上司に誰も居ない場所で見せるんだ】とヒロが言う。それは長官のゲイン氏の卑猥な写真で
有った。ヒロは【これはギャングと渡り合う時の安全の為ユニオンから
プレゼントだ】と言い、ユニオンの防弾コートと麻酔弾の特殊ライフル等の装備を
渡した、ギャングのボスに辿り着くには出来るだけ殺さず逮捕する必要が有るからで有る。ジャックはジャンと何度かコンビを組みジャンからシューティングを教わって居るのだ。【公務員同士が組むと大体サボるからな、後で連絡を取らせるから、税金分は働けよ】と言った。ジャックが【そういえば基地の任務の時の100ドルまだ
返して貰ってないぞ】と言う【お前、何処までセコイんだ?あれはアメリカが起こした戦争反対を訴えてる、シンガーへのお礼とお詫びだろ。あの娘、今では有名な
カントリーシンガーに成って居るじゃないか。お前の100ドルがあの娘を有名に
したのだぞ、お前はそれを誇らしく思え。それにその情報は100万ドル、
そのコートど装備は1万ドルの価値はあるぞ。本当に公務員は強欲だな】と言った。ヒロはシェルターに帰り事務所でチヅルとミーティングを始めた。
【チヅル術式の第一段階をそろそろ整理するぞ】と言った。
【うん、先生は気付いていると思うけど、先ず弱い所を揺さぶる作戦なの。
キャリーとゲインを利用してアメリカ国内の治安を揺さぶる、と言ってもホントに
治安を悪くするのでは無く二人を分裂させて本当の治安を国民に晒す】と言った。【だから二つの組織を化学反応させたのか】とヒロが聞くと【うんジャックさんには悪いけど彼を触媒に使うの、先生が助けてあげて】とチヅルが言う。【公務員だが
悪い奴じゃ無いからな、ⅭIAの方のネタは揃って来ているのか?】とヒロが聞くと【議員の頃の汚職の情報が揃って来ている中東のT国などの政府とかかわりのある
実業家たちが、T国への政府援助を確保したり、投資ファンドから数百万ドルを得たりする目的で、彼に働きかけた。引き換えに当時議員だったキャリーは、
30万ドル以上に相当する金の延べ棒などを受け取っていたというの】とチヅルが
言う。ⅭIA長官が昔とは言え金銭を受け取り利益供与したとなれば大事だな】と
ヒロが言う【でも現状表に出してもどうせ握り潰すわ、そこで二人を呪い合わせて
お互いが呪術の掛け合いをさせる、そのきっかけが欲しいのよ】とチヅルが言った。翌日ヒロにジャックから電話が掛かった【資料を見たがこれはアメリカのギャングの組織図が大きく変わる案件じゃないか、ⅭIAの人間と二人で対処出来る訳が無い、予算だって個人で提出が出来る金額じゃ無いぞ。本当に潜水艦のルート
なのか?】とヒロに言う。【ああ、今ではそれしか大掛かりな密輸入は無理だろ。
以前だって南米の近隣国から潜水艦ルートが有っただろ。今はドラックもインフレで
値段上がってるからな、これだけの規模なら全然有りだ】ジャックが【何故、T国の麻薬組織が日本の潜水艦を持ってる】と聞く【さあな、武器輸出を解禁したら何が
有っても不思議じゃ無いだろ】とヒロが答えた。【こんな事俺一人で対処出来ない】とジャックが言う。【ユニオンなら出来ない事も無い、金次第だお前の上司に
相談しろ、馬鹿じゃ無ければユニオンが協力した数々の事件の事は知っているだろ】と答えた。【潜水艦、大鯨なんて、どうやって捕まえるんだ、だいたい何処に
着港するのか判るのか】とジャックが聞く【ユニオン舐めんなよ、お前だけに教えてやる、これが海中活動型探査ドローン、アングラーフッシュ、和名はアンコウだ、
名前はダザイガ探査能力はお前ら米軍の潜水艦では及びもつかん、これを10機T国の拠点港と思われるところに張り付かせる、どのルートで来るかは東西両方有り得るからな最近はもっぱら東海岸のプエルトリカンのギャングとの取引が盛んだから、
どちらのルートでも対応できるようにアメリカの東西両方にもドローンを配備する
ユニオンの海上部隊が捜査して動く】と言うと【海上で拿捕出来るのか?】とジャックが聞く。【アングラーフィッシュを舐めんなよ、大鯨とて航行不能に出来る能力を持っている。アングラーフッシュの名前の由来だ、ただのアンコウに似たドローン
違うぞ】とヒロが言う。【いくら欲しいんだ】とジャックが聞く。
【こっちはシャチの海上部隊と地上にも俺のチームが出張るしオマケに新型の
アングラーフィッシュ30機使う、だから3000万ドルと押収金額の10%と言いたいが今回は大負けにまけて経費分の1500万で折り合いをつける、ただしⅭIAのキャリーの内定をそっちでやって欲しい。】と言った。ジャックが
【3日時間をくれ、それまでに返事をする】と言った。
一方チヅルはⅭIAの仲間に協力させる対価として潜水艦大鯨の情報とそのルートに関するヒントを教えたこの武器輸出に関して押していた当時の外交防衛委員会の
外務大臣と経済産業大臣、防衛大臣の寄付関連情報を渡した。
全員悪人と言うどこかの党のポスターが全員悪人と言う映画に酷似していると話題に成ったが正にそうかも知れない。3日後ジャックから連絡が入り、その数日後に
ユニオンのエージェント派遣会社とFBIとⅭIA双方の契約が弁護士を挟み
交わされた。T国現地のエージェントと魔導士からギャングの出荷はその2週間後だと知らせが有り、そのルートが驚くべきルートだと解った。南米のB国小さな港の
付近に飛行機で大量に運びそこから潜水艦を使いアメリカの東海岸に運び込む
ルートなのだ。水の里のシャチの高速駆逐艦をB国に配備するにもB国は東側に近い国だ。中東のT国とは近年金融などで親密に成ったがアメリカとは非常に悪い関係だ。ヒロは直ぐにチヅルと伝手で以前、命を救った東の要人に連絡してB国の
パスポートを用意して貰うことに、シャチの船はB国と海を隔てて在るk島の許可を得て海峡付近に配備してアングラーフッシュを準備した。またアメリカ東海岸にも
要所にアングラーフッシュを配備させる指示をした。そしてジャックとⅭIAも
東海岸で待機させる事に成った。B国にはヒロ達のチームが待機し荷物の受け渡しの後輸送機を占拠して先ずT国側の密輸送ギャングを逮捕し拘束した後にヘリコプターでシャチたちの指示により潜水艦を追いかけ東海岸で拿捕する計画を練った。
ヒロはジャックに【お前ら公務員はまた楽チンな仕事で良いよな、こっちはマジ
頭痛い位面倒な仕事に成りそうだ。完全に赤字の仕事だぜ】と言った。
二週間後に備え美樹と春花とヒロの3人が一度東京経由で東側の国に入りそこから
ユニオンの垂直飛行可能飛行の長距離哨戒機(宙飛)で移動する。宙飛は、
タカ目タカ科チュウヒ属に分類される鳥類。 本種の名前「宙飛」が由来とされる
ユニオンの科学部がその特性を研究してジェットの噴射口翼の揚力推力を設計した
長距離哨戒機だ。ユニオンの科学は自然から研究する事も多いのだ。
この機体は東側の接する海の探査と防衛のみを任務としてユニオンが派遣している
部隊が所有する機体である、決して戦いをするのでなく戦いを広げない為のみの目的で高額な任務料金でユニオンが受け持つ任務なのだ。そのお金は貧困の撲滅のため
アフリカのユニオン協力国の経済発展や産業に使われているのだ。勿論アフリカの
医療や食量生産にもユニオンが携わっている。東側からパスポートのビザを調達して南米のB国に移動する宙飛に初めて乗るヒロ達3人はその機体の性能と装備に驚いた。広範囲なレーダー機能、衛星からの中継画像から変化を探知して、そしてその
航行距離や何よりドローンとの連携で海深くから表面まで異変を逃さない探査能力を持ち、飛行ドローンとの遠距離の連携も可能なのだ。操縦士と探査技術師は
元自衛隊の優秀な隊員を高額な報酬と共にユニオンの思想を理解してもらい
ヘッドハンティングしたのだ。操縦士の名前は隼人と言いヒロは初めて有ったが名前は聞いて居いた。【今回任務をご一緒させて頂きます隼人と申します、宜しくお願いします】と挨拶をして来た【俺はヒロ、このお転婆二人が美樹と春花だ今回は宜しく頼む】と挨拶した。美樹が【この人がミカコ姉様と噂の隼人さん?へーっ姉様の趣味ってこんな人なんだ】と定かでないプライベート情報を話す。
【なるほど飛ぶのも早いが手も早いタイプなのか?気を付けろよ、あの女は恐ろしい一面を持っているからな、まあユニオンの女の本性は魔女だからな、何か困ったら俺に相談しろ】とヒロが余計なお世話を焼く。他の乗組員が笑って隼人を冷やかしチームが馴染んだ。春花は装備や機体に興味深々で見ている。春花は機械の操縦の知識や才能も高いのだ。アホな所と天才の所のギャップは常人離れして居る。
音響員、非音響員の役割は大半AIが担当してその他のドローンの動きや
メンテ技術的な事を他のメンバーでやる事に成る。
ヒロが戦略航空師の役割を兼ねる。ユニオンの機体は色んな機能をAIが兼ねるので少人数で作戦を遂行出来るのだ。春花が注意深く彼らの操縦や行動を観察して
操縦や機能を覚えているようだ。この辺りがIQ200以上の成せる技なのかも
知れない。ヒロに【春花もやる】とせがむ、ヒロが【今度訓練してからな】と言うと【ウ―ッ】と唇を尖らせ拗ねる、精神年齢はガキである。
ヒロは【拗ねるな、任務終わったら、牛さん食べに行くから、ニューヨークステーキは高いがボリューム一杯でまあまあ美味しいぞ】と言う。子供扱いも酷いのだが、
春花はそれで折り合った様だ。扱いやすいものである。そんな感じで現地が
近づくと情報が入って来る、向こうの輸送機は自衛隊機のⅭ2だと言う。
確かに中東に輸出を強化したと聞いたが潜水艦の大鯨、輸送機Ⅽ2これらが密輸に
使われている。これが武器輸出自由化の結果なのかと驚いた。ヒロは頭の中で向こうの術式を思考して読んだ。これは日本の闇バイトと同じシステムだろう。
T国から何処かの中継国、そして南米のB国そして潜水艦で東海岸分担することで
リスクを減らし大量の薬物を一気に密輸して利益を分ける。ある意味ギャングの共存体制では無いか。取り締まりを強化すれば逆にギャング同士は協力して共存しようとする。B国は以前貧しさから近隣の麻薬畑に出稼ぎする人が多数いた。近隣の畑は
取り締まりによりドンドン摘発されB国の人間はそこで中継ルートとして活動して
いるのだろう。以前南米の麻薬の摘発に何度も関わったヒロにはそうなる事は
解って居たが、それでも空しい事で有った。使う人間が減る社会を作れば需要も無く成るのにと再度思った。現地に着き一度作戦を練り直す。まだ向こうの輸送機は出発をして居ないがGPSを仕掛け衛星で動きを確認している。魔導士と向こうの
エージェントの手配だ。向こうも分業制だ、こちらもコンビネーションは長年の積み重ねと訓練が有る。兵力と実行力は比較に成らない、ヒロは隼人に【お前も予想していると思うが恐らく奴ら何らかの形でパラシュートを使い、物を海に卸す可能性が
有る、その場合、それを見逃した後に輸送機を捕獲する必要が有る。生きたまま奴らを捉える為に安全なシュミレーションを考察しないと】と言う。
【難しいミッションに成ると思います。どこかの島、K諸島等で着陸してくれると
やり易いのですが、機体も抑える必要が有るのですよね】と隼人が言う、
更に【Ⅽ2は高速巡航のため主翼形状を遷音速領域に適応したスーパークリティカル翼型として、エンジンもボーイング製やエアバス製の旅客機にも使われている大推力エンジンを採用したターボファンエンジンで、何より電子測定機搭載システム
(AL℞-x)が搭載されてます】と言う。
美樹が【良く解らないけど、バードストライク作戦が一番良いのじゃない】と言う。ヒロは頭痛がして来た、バードストライク作戦は鳥形ドローンを何台も駆使して
エンジンだけを故障させ不時着に導く高度な技術と何よりドローンを何台も使う。
ドローンを犠牲にして費用が莫大に掛かる作戦なのだ。ただ宙飛には探査機能と多くのドローンをコントロールできる機能が有るのでこの作戦に向いている。
本来輸送機を落とせば良いなら遠距離から指向性兵器を備えたドローン兵器で
撃ち落とせば良いがギャングの輸送部隊も生きて証人として取り調べしなければ、
そのからくり全てを断つことが出来ない。面倒で採算の悪い仕事を受けたと思って
ジャックにまた文句を言いたくなったが、それは成功してからにすることにした、
案外執念深いのだ。【美樹、お前がドローンを操作するのか?お前はドローンを無駄にし過ぎる、俺がやる】とヒロが言うと【なに言ってるのドローンの天才少女が
ここに居るでしょ】と言う【天才は認めるが実際の作戦と訓練は違う、状況の変化で戦術を変えるケースが有る】とヒロが言う【それは私と宙飛のスタッフでやれば良いじゃん、先生は不時着した連中を捕獲する事に集中して。輸送機が不時着した後、
空挺隊並みにパラシュート降下して、特殊部隊並みに全員無力化する良い所を先生に、させるのだから失敗しないでね】と言う
どちらが上司なのか判らない状態だ。春花が【ヒロ頑張れよ、春花も頑張る】とヒロに言う。【春花大丈夫か?】と言うと【春花出来る子】と答える。
夕食後一休みして、春花の夜間訓練のため、宙飛に乗り行う。色んなケースを想定して日夜行って行った。宙飛の乗組員も驚きの声を上げる、まさに天才なのは
確かなのだ。訓練が終了すると【ヒロ、成功したら牛さん毎日食べれるな】と
春花が言う【毎日は飽きるからシーフードも食べさせてくれ】とヒロが言うと
【シーフードより牛さんが良い】とごねる。偏食に成って来ている。
特にアメリカに来てからである。ヒロは早く終わって帰りたく成った。
そして結局ジャックに電話し早急にサルベージ船と密輸の連中の護送の為の手配を
しながら文句を言った。【お前らの任務に関わるとろくなことが無いこっちは大赤字だ、飛行追跡ドローンが何台もオジャンに成る】と言う。【何をそんなに怒っているんだ】とジャックが聞くと。【恐らく抑える物量は過去最大どころの騒ぎではない
何せ3か国以上のギャングが関わっているからな】と言う。【その報告は受けている、でも1500万ドルはかなりの報酬だぞ】とジャックが言う。【大赤字なんだよ】とヒロが文句を言う。【1500万ドルで赤字と言う事は無いだろう】とジャックが言う。【こっちは自衛隊輸送機Ⅽ2を不時着させ、突入して奴らを生きたまま捕獲
するんだぞ、大赤字だちゅうの、飛行機を証拠として押収するのはそっちの経費で
やるんだろうな?】とヒロが聞く【証拠押収は確かこっちの仕事に成るな】と
ジャックが答える【今の録音取ったぞ、大型サルベージをそっちで用意しろよ、
あと連中の護送の為の人員もk島に配置しとけk島のw港付近に輸送機を
不時着させる。あと3日で潜水艦に受け渡しされる、輸送機の連中を引き渡したら
俺はそのまま潜水艦を追って東海岸に向かう】と言った。ジャックはヒロの仕事を
受けるんじゃ無かったと不安に成った。ヒロ達は訓練や修行の後B国のレストランで料理を楽しんだ。この国は元々ユーロのS国に支配された領土だった。
南米の多くのはユーロの国が強奪し支配した土地である。
国民はユーロ、アフリカ、原住民の混血が多数に及ぶ、これも南米の国の特徴で
あろう。料理は「アレパ」という白トウモロコシの粉でできたパンに、色々な具材を挟んで食べる料理が有名で、アレパにはスープやその他様々な料理を添える。
人気の「アレパ店」では大体、チーズ、裂いた牛肉のトマト煮、
チキン、ローストポーク、ツナ、タコ、スクランブルエッグ、ウズラの卵、
ポテトサラダ、アボガド、トマトなどが具材となる。
美樹が【アフリカの料理に似ているよね】と言うと春花が
【牛さんのスープ美味しい】と言う。ヒロと美樹はこの国のダークラムが
気に入ったようだ。中には18年熟成させた高級なダークラムも有って、なかなかの物だった。南米特有の明るい国民性の様だが経済がかなり不信で隣国への経済難民が数百万人に上る。これらが麻薬の温床に成ったり関わる原因になるのであろう。
このB国で過ごしていると中東のT国から飛行機がこちらに向けて出発したと連絡が有った。中東からこちらまでどの経由で来るのかは不明だが衛星からGSPで
タグが付けられている。それと鳥形ドローンと宙飛のレーダーで周辺の空を探索して警戒した。カリブ海付近にⅭ2輸送機が近付いたのを確認して宙飛を上空に離陸させ敵機より高い高度で確認作業をして鳥形ドローンを上空から後部に近付ける作戦だ。鳥形ドローンはスティルス機能も材質と形状で装備している、小型なので輸送機の
レーダーに反応しない。目視しても一見、鳥に見えるユニオンの傑作だ。それだけに
金が掛かって居るのだ。ヒロは機内で何度も作戦を確認してドローンを無駄にしないようしつこく二人に指示した。美樹は【あー、もう五月蝿い、解っているって上手く後部から近づいて良い位置で水平毘翼のコントロールを奪えば良いんでしょ。
良いタイミングでタービンに鳥を突っ込ませ揚力と推力を奪えば良いだけじゃん】と言う。ヒロは【そんな簡単に言うな、隼人、最悪通信開いて向こうをコントロール
出来るように準備しておけ、一度コントロール出来なければ向こうもトンデモ操縦をやりかねない】とヒロは言う。バードアタック作戦はドローンに備えた
高出力レーザーで尾翼の等の舵を奪いタイミング良くタービンにドローンを
突っ込み、推力を奪い主翼の揚力と尾翼の揚力だけで不時着をさせる作戦だが相手がパニックに成るとそのまま墜落も有りうる危険な作戦だ。しかも到着時間は夜だけに危険極まりない。向こうのパイロットが素人では無い事を願うばかりだ。
ユニオンのエージェントの情報によればアジア人となっている。
アジア人と一括りにされてもと思ったが今やⅭ2はアジア、中東だけでは無く色んな
国に輸出されている。ミサイルの攻撃機能も有る輸送機だ。Ⅽ2がB国とk島の境界に飛んできたのはB国の夜12時に差し掛かろうかとする時点だ。B国にも空軍が
有るのだが事前に領空を通る事を通知しているのであろう。アメリカとB国の関係は最悪なのが大きな問題もはらんで麻薬の中継として黙認されているのかも知れない。今回ヒロ達が使うドローンは八咫烏と呼ばれる機種で上手くⅭ2に近づけ
コントロールを奪った。そしてターボファンに八咫烏をバードアタックさせて推力を奪った直後に徐々に輸送機が下降して行く。思った以上に下降するスピードが速く
ヒロはヤバいと感じた。宙飛から通信を送りながら近づいた。
隼人が操縦しながら輸送機に通信を送る【K島付近を降下中の輸送機、急激に降下中の模様、ターボファンが故障している模様、燃料を噴出廃棄して不時着体制で舵を
取られよ】と告げ、コントロールしてる八咫烏を解除する。
【隼人、宙飛を至急急降下させ接触手前で垂直離陸に切り替えアンカーを打ち込め】とヒロが言う。【先生、無茶ぶりですって、いくら宙飛でもそんな神業】と隼人が
言う。【出来る、コウジ兄さんがpvを前に送ってくれたのを見た、あれは確かお前の操縦だろ絶対出来る】とヒロが言う。急降下する中飛の中に物凄いGが掛かり
AIが輸送機との距離を隼人たち乗組員に告げる、急降下から徐々に舵を取り角度と距離を調整し輸送機と600フィートの距離で垂直着陸モードに切り替え他の二人がアンカーを4発、発射して輸送機にアンカーが食い込む水面からの距離は5マイル(約9キロ)宙飛のエンジンを垂直離陸に近い角度で隼人が輸送機の侵入閣度を
コントロールして着水角度を調節する。まさに隼人の神業的操縦と猛禽類の宙飛の
性能をもつ機体の成せる技で有ろう。輸送機に隼人が再び通信を送る。その間ヒロは輸送船の100メートル上に有る中飛からユニオンの特殊なパラシュートで輸送船の上に的確に着地する。これも神業とユニオンの科学が合わさって成せる技である。
隼人が英語で【全員無事か】と確認する
美樹が待機しているサルベージと護送の為の捜査員に連絡する、1時間もすれば
輸送機が完全に沈んで移動してしまう可能性が有る、機体の損傷は殆ど無いように
見えるが輸送機は船では無い。ヒロは機体の上部を携帯したレーザー切断機で
切断して中を確認する。虫型ドローンそこから入れて美樹が中の様子をヒロに
知らせる。【先生、中で撃ちあいが始まっている】と美樹が言う。
仕方なくヒロが睡眠ガスを投入してこうマスクを付けて中に入る。二つの組に分れて撃ちあっている美樹と春花が機首側の組を5機の虫型ドローンで攻撃して妨害し、
ヒロが後方側の連中を後ろから制圧して行く。後方の3人を制圧した後にガス弾を
前方の座席に向けて放ち、ガスを前方に充満させる。たじろぐ敵の手足をゴム弾で
撃ち銃を落とし制圧して数が2人に減った時点で降伏を促した。
ユニオンの催涙ガスは科学部が後遺症の残りにくい成分で一時的に視力を奪うが
時間が立てば視力も徐々に回復する。全員を拘束して驚いたのは二人が日本人3人は中東のT国3人はアフリカ人だった。ヒロは美樹と春花もロープをつたい
降下させて。拘束した人間の怪我の治療を行う。幸い致命傷に至る怪我をした人間は居なかった。まさに幸運と言える。ヒロは二人の日本人の目を水で洗い流し治療して二人に話を聞く。【一体何が有った、お前ら元自衛官だろ、調べたら解るんだぞ】
聞く。二人とも黙っている。そこにボートでFBIの捜査官がボートでやって来て
後15分でサルベージの機器が到着することを伝えてきた。ヒロが一瞬考え
日本人二人はこちらで責任持って取り調べる為こちらで預かる胸を伝えた。
何か裏が有ると感じたからだ。FBIの捜査員が拒否する態度を取るがヒロは強硬に言い張った。ジャックに電話してその旨を伝え強引に中飛に吊り上げ乗せて行った。そしてサルベージが到着するのを待ち、引き渡しを終えてシャチの船に連絡を
入れた。荷物の受け渡しが済んで約1時間半が過ぎて居た。アングラーフィッシュは無事タグ付けした荷物を確認して大鯨を追尾している。ヒロ達が宙飛のアンカーを
外し乗り込むと宙飛の乗組員とⅭ2の二人の日本人が何やら話をしていた。
大鯨が荷物の受け渡しをするには場所によるが15日から20日後と思われるので
一旦B国に着陸して二人から話を聞きユニオンに引き渡すこととした。着陸してヒロが見守る中、隼人がその二人に話しかけます。一人をタカシと呼んでいました
【タカシ、どうしてお前がこんな事を】と質問した。【お前がそれを言うのか?】とタカシが答える。沈黙が続きます。【確かに俺は国を見限った、だが人類を見限ったつもりは無い、俺には俺の正義が有る。人類が争わない事に進みたい、別にどこの
見方でも無い、戦いを収めたい】と隼人が言う。
【綺麗ごとだな、そんな事出来る訳が無い、お前も俺も変わらない、世の中が薬中に成って戦いなんか忘れたら良いのさ】と言う。【お前まさか薬をやっているのか】と聞く。【薬やってⅭ2操縦出来る訳無いだろ、国は俺にそのリスクを背負わそうと
したけどな】と言う。【お前まさか、別班に】と隼人が言う。
ヒロが【一つ聞いて良いか?今お前が守りたい物ってなんだ?】と言う。
タカシは黙って口をつぐんでいる【まあ良いさ、言って置くが俺たちは捜査機関
じゃ無い、ここで話しても別に証拠にもしない、お前を逮捕して立件したからお金が入るわけでも無い、でも組織は壊滅しなければダメだと思ってる。お前が守りたい物も出来るなら守りたいと思っている】とヒロが言う。【先生、私達に任せて
頂けませんか】と隼人が言う。すると春花が【ヒロ、この人悪い人と違う】と言う。
美樹が【春花が言うならそうだよ】と言う【そうだな、でも真実は話して貰わんと
助けようが無い、隼人達に任せよう。車を用意して空港から2キロ先の
マリオットホテルに部屋を取った。部屋を二つ、両方ともWベットが二台有る部屋だが日本やアメリカの半額近い。安値で値段はお得だ。
部屋に入り美樹が【先生と同室?変な気を起こさないでね。】と言う。
【俺はぺちゃパイは気にしないが、性格重視だから安心しろ、
五月蝿い女はコリゴリだ】と言う【じゃあ性格良い春花は危ないじゃない】と美樹が言うと【お子様も対象外だ】と言う。春花が【ウーっ、と怒っている】
ヒロが【怒るな春花ルームサービスで何か頼もう】と言う。
カルネ・メチャーダ、ソパエサンコーチョ、アレパにハンバーグを挟んだ物全て
牛肉が入った料理をオーダーした。【先生、そろそろシーフードが恋しいね】と
美樹が言う。二人で春花を見る。美味しそうに春花が食べている【美樹、お前が説得しろ】とヒロが言うと【春花、今回の任務はチョット失敗だよね、結局上手く
コントロール出来なかったし】と美樹が言う。春花が悲しそうな顔をする
【バカそんな言い方ダメだろ、春花お前は頑張った、あれはアクシデントだ、
まさか輸送機の中で撃ちあいが始まるとは俺も考えなかった、お前のせいじゃ無い。落ち込むな、お前は良く頑張った。ただな、流石に毎日が牛さんは俺たちもキツイ、順番で好きなものにしないか?】とヒロが言う。
春花がじっとヒロを見る、美樹も手を合わせてお願いをしている。【春花、良い子】とニッコリ笑う。春花が天使に見えた二人だった。【ヒロ、タケシ可哀そう、
悲しそうだった】と春花が言う。【そうだな、何が有ったか解らんが余程の事が
有ったのかもな】とヒロが言う。【先生、別班とか言っていたけど何?】と美樹が
ヒロに聞く【まあ、自衛隊のスパイみたいなものだ。ただし自衛官で有って
自衛官じゃない】とヒロが言う。
【私達エージェントも時々違う身分で任務をするよね】と美樹が言う。
【俺たちは違う身分でも常に皆が家族だろ、きっと奴らは違うのさ、国が主体で自分や人では無いのだろ、俺がユニオンで活動するのは自分やお前達家族が幸せに成るためだ。主体は俺たちの幸せだ。だからマリアとも意見はぶつかる。マリアは当然
もっと大きな視点で見て皆の幸せを考える必要が有るからな。でも見てみろ日本で俺たちの敵に成った連中を、上に行くほど己の事しか考えない。自分が組織なのだ。
解るか?組織は皆が幸せに成るための方便だ。組織のメンバーは組織の駒じゃない。俺が危険を招致で任務を受けるのは自分や仲間が幸せに成るためだ】とヒロが
答える。【じゃあ私も韓国女優はもう少し後でも良いよ】と美樹が言う。
【それはお前が自分で決めれば良い、お前が韓国ドラマに出たいなら
応援もする、でも演技で本当に胸が大きく見えるのか?】とヒロが聞くと
【たぶん出来るように成ると思うけど】と美樹が答える。阿保で有る。
しかし今はデジタル修正が有るから出来るかも知れない。そうしているとヒトミから電話が有った【ヒロ、何で電話しているか解っているわね】とヒトミが言う。
【さあ?思い当たらないが何か有ったか?】とヒロが聞く。実は思い当たる事が
有る、輸送機を急降下させた事だ、それにより燃料を上空で噴射廃棄させ海に燃料が落ちた事だ。しかし上空で噴射したので墜落して海に落ちるより環境には良い。
その苦情が何処からか聞こえて来たのだ。【解っているくせに、しらばっくれて。
それを静めるのに、どれだけ大変だったか】と怒ってる。
【何言っているんだFBIに擦り付けろよ、これはFBIの責任だと、
いや自衛隊の輸送機だから自衛隊のせいにしろ】とヒロが言う。
【何言っているの、防衛省がそんな秘密を認める訳無いでしょ、何故自衛隊機が
関わっていたか必ず調べて弱みを見つけるのよ】とヒトミが言う。
【それは武器輸出ドンドンしたからに決まっているだろ、何れ解るからそのネタで
防衛相を揺すって金をボッタくり自然団体寄付でもしたら黙るだろ。自然保護団体もアホ過ぎて害悪だよな熊が街にでて撃ち殺したら文句言うわ、どうしろって
言うんだ、熊殺しの空手家を沢山養成するのか?】とヒロが言う。
【今回は熊じゃ無いわよ、フラミンゴとイルカやウミガメとイグアナ等、多種に渡るのよ、貴方何とかしなさいよ】と電話を切った。美樹が【ヒトミ先生、何って?】と聞く【さあな、姉ちゃんも更年期だから大変なんだろ】と答えた。
ヒロは組織の上も実は大変だな、ゴールデンウイーク中に自然保護団体から苦情が
来るなんて、と思った。自然保護団体は暇なのかとも思った。
大体このインフレで人間が貧困で苦しんでいるのにNGOで熊が死んで可哀そうとかアホがその前に自然を壊した奴を追及して言及しろとも思った。
そろそろ熊が冬眠から覚める時期で猪も畑を荒らす時期だ。
美樹が【私もホルモンバランス気を付けよう、やはり食事よね】と言う。
食事より酒を控えた方が良い気もするヒロだった。翌朝、朝の修行は部屋の中で軽く行い、シャワーを浴び、隣の部屋に電話を入れた。寝起きで隼人が電話に出る。
【シャワーを浴びて皆で朝食でも食べに行こう】とヒロが言う。
【すこし待って貰えますか、まだ寝起きで、タカシたちの着替えも無くて】と隼人が言う【誰かフロントに行ってショップかアクティビティで二人の服を調達しろよ】とヒロが言う。ヒロが5人の部屋に入り、タケシに声を掛ける【遅くまで飲んでたようだな、良く眠れたか】と聞く。【長距離の移動と騒動で疲れていたからな】とタケシが言う。【先生に失礼だぞタケシ】と隼人が言うと【別にいいさ、俺は軍人でも
自衛隊員でも無い、別に偉くもなんともない】とヒロが言う。ドアのチャイムが鳴り美樹の声で【先生春花が話したいんだって】と聞こえる。ヒロがドアを開けて二人を部屋に入れ【春花、なんだお腹空いたか?】とヒロが聞くと
【お腹も空いているけど違う、話したい】と言う。
タケシが【なんでこんな子供が?】と言う【春花、子供違う】と春花が言う。
【春花は顔は童顔だが立ってみろ身長は160有る身体能力はアスリート以上で
俺の武術を受け継いでIQも200以上だ】とヒロが言う。
【そんな事じゃ無くて、何故任務に若い娘が?】とタケシが聞くと
【何故って言われても我ら冥府魔道の親子でござる】とヒロが言う。
【先生なにそれ受ける】と美樹が言う。【子連れ狼だ、知らんのか?】とヒロが
言う。誰も知らないようだ。タケシが【お嬢さん怖くは無いのか?】と聞くと
【ヒロと美樹が居るから大丈夫だ】と言う。【危ない事はさせたく無いが、この娘達を育てるのが俺の責任らしい。それに二人がどうしても来る気らしい、何が有ってもこの娘達は守るつもりだ正直、俺は怖いがな】とヒロが言う。
【先生はダメダメだから、私達が付いて無いとね】と美樹が言う。【そうらしい】とヒロがタケシに言った。その後タケシ達二人の着替えを持って来たので彼らが
シャワーを浴びた後ブッフェで朝食を取った。
朝食を取りながらタケシ達二人と美樹と春花が何気ない話をしてる。
春花が【タケシお前は童貞か?】とか【中東の女はどうだ?】とか下ネタを
かましている。美樹はコリアンポップスの押しを教えている。
二人とも迷惑そうだが何故か心が和んで行く様子だ。
ヒロが隼人に【すまんな、二人とも優秀だが少しおバカキャラなんだ】と言う。
【先生あの二人の事なんですけど】と隼人が言うと【何とかするマリアに無理を
頼む】と言うと【俺たちの事はもう覚悟が出来ている、昨日隼人にも話した】と
タケシが言う。【人を助ける仕事をする気は無いか?戦いでは無く貧しい人に食料を輸送したり、貧しい国から輸出の物資を運んだり、移民を安全な場所に運んだり、
優秀な操縦士はいくらでもこれから必要になる。俺たちを助けて貰えたら
有難いのだがな】とヒロが言う。【俺たちは犯罪者だぞ、俺たちが運んだ物で
多くの人が不幸に成った】とタケシが言う。
【ふっ、俺だって多くの人を傷付けた、罪の無い人間なんかこの世に一人たりとも
居ない。罪の分、人を助けたら気持ちが多少軽く成るさ】と言う。
【先生はセクハラで世の中の女性を沢山、傷付けているし戦争も沢山してるから、
頑張らないとね】と美樹が言う【お前も俺の酒を沢山盗んで飲んでいるから、
頑張れよ】とヒロが言う。お似合いの子弟だ。朝食が終わり部屋に帰りヒロはマリアに電話を入れた。マリアが【また無理難題を押し付ける積もり?】と機先を制す。【流石、魔導士マリアだな、何故解った?】と聞く【連絡入っているのよ、不時着の件と言い、元自衛官の件と言い、貴方って人は】とマリアが言う。
【迷惑掛けついでで悪いが頼みが有る】とヒロが言う。【元自衛官の二人の件ね】とマリアが言う。【無理難題はお互い様と言う事ですまんが頼む】とヒロが言う。
【ホントに大丈夫なの?】とマリアが聞くと【多分、ほっておいたら、
一人は死ぬ積もりだったと思う、仲間の友人だ、ほっては置けない、
それに事情は全て隼人に話して居るようだ。マリアかマリに面接させても良い、
元自衛官だ、情報的にも操縦に関しても助けに成る】とヒロが言うと
【貴方は本当に源三さんソックリね、そのお節介な所が人の輪を増やす、その分
トラブルも抱え込む、馬鹿な子ね】と言う。【仕方無いだろ、馬鹿に育てられ武を
仕込まれたんだから。その分、働くさ、マリはもうニューヨークに着いて
いるのか?】と聞く。【チヅルちゃんと合流している、ニューヨークの方も
ホームレスの作戦をやってるわ。ロンさんも、ジャン君も動いてくれてる。
一度マリちゃんと合流してその後シャチ君の船に乗り込む戦略で動いて頂戴】と
マリアが言う。【了解した、兄さんの回復は順調なのか?】とヒロが聞く
【ええ、何人か亡くなって、落ち込んでらしたけど】と答えた。
ヒロには研究室のスタッフも大切な仲間でそれを傷付けたウーロンやタロットは許せないと再度、思った。ヒロはB国のラムやグアテマラのロンサカバラムの熟成酒を
沢山買占めしたかったが早急にニューヨークに行く必要が有っ。
後ろ髪を引かれ皆で宙飛に乗り込みニューヨークに一旦飛んだ。
旅客機で12時間以上かかる道のりだが宙飛だと4時間で着く、乗り込んだタケシが【何だこのスピードは】と驚く。【昨日はスロー飛行の設定で帰ったからな】と隼人が自慢する。更に【最高スピードはミグ25の2倍は超えるエンジンだぜ。
今はこれでも安全スピードさ無駄にスピード出しても部品のリペアが大変だからな】言う。ニューヨーク近郊のユニオンの空港に着き、そこからマリに会いに行く。
チヅルとロンも居た【パパお疲れ様、大変だったわね】とマリが労う
【ヒロ、貴方はどうしていつも騒々しく任務を遂行するのです?皆に迷惑が
掛かるのですよ】とロンが苦言を呈す。【ロン先生、私がしっかり手綱を握って
おきます】と美樹が言う。【お願いしますね美樹】とロンが言う。
ヒロはどういう事だ?と思うがいつもの事である。マリが隼人やタケシに【ユニオンの魔導士でヒロの娘のマリと申します、こちらはロン老師とチヅルちゃん】と紹介
するタケシが【始めましてタケシと申します飛行機の操縦士をやって居ます】と
二人で挨拶する。隼人が【噂には聞いてましたが先生にこんな綺麗なお嬢さんが
居らっしゃるなんて】と言う。【今、メチャクチャ失礼な事を言われた気がするぞ】とヒロが言う。【パパ、私への御世辞よ気にしちゃダメ】とマリが言う。
【マリ姉様の母様は女王様でメチャクチャ美人だからよ】と美樹が言う。
なにか更に失礼な気がするヒロで有った。
【美樹ちゃんも春花ちゃんも大変だったわね】とマリが労う。
【春花良い子、マリ大好き】と春花が笑う【私も春花が大好きよ】とマリが
ハグをする。ヒロ達が向かったのは、ブルックリンの一角のビルを買って
ユニオンが新たに作ったシェルターだ。その会議室でマリとロン、そしてタケシ達
二人は面接をした。ヒロ達はチヅルと一緒に施設を見て回った。
ワシントン以上にホームレスの数が多い。しかも薬物中毒者の比率がワシントンの
比では無い。ユニオンの治療施設に早急に送る必要が有りそうな人間も居た。
止得ず拘束している人も居る。ユニオンの医師が注射で落ち着かせ、順番に施設に
搬送しているようだ。このような施設がいくつもニューヨークのブルックリン地区に有るようだ。【酷い話だな、ここまで酷く成っているとは】とヒロが
チヅルに言う。【タロット政権に成って、ドンドンひどく成っているようなの】と
チヅルが言う。マリ達の話が終わり4人がヒロ達の所に来て【パパ、当面タケシさん達は、ここのお手伝いをお願いして時期を見て空輸の方をお願いする事に成ったわ。ロンさんと同じチームでお願いする事に成ったの】と言う。
治療が必要な人達を空輸してまとめてミネソタのロチェスターまで空輸してユニオンの医療機関に運び治療するのだと言う。
ヒロは【大変なプロジェクトだけど、費用や採算は取れるのか?】と聞く。
【パパが頑張って成果を上げてくれれば大丈夫よ】と言う。【そうだな、頑張るよ】とヒロは言うがプレッシャーが強すぎて一瞬固まってしまった。
【マリ、お腹空いた、牛さん食べる】と春花がマリに言う。【少し、早いけど皆で
行きましょう】とマリが言うと【私はここで仕事をします、食事は自分で用意
します】とロンが言う。ロンは仙人食を食べるのだ。
ヒロは【春花、今日はシーフドの日じゃ無かったか?】と聞く【パパ、シーフードも置いているステーキハウスも有るわよそこに行きましょ】とマリが言う。
春花が嬉しそうだがヒロは毎日の散財が気に成って居る。ヒロと美樹とチヅルは
ロブスターとサラダとバーボンを、他はステーキとビールやワインをそれぞれ
注文した。ヒロが【チヅル、ネット作戦の方の効果はどうなんだ?】と聞くと【効果は出て来ているし、ウーロンのやってる事も見えて来たよ】と答える。
【やはり自分に都合の悪い物は削除とかしているのか】とヒロが聞くと
【うん、それも有るけどやはり少し知能指数の足りない人を賢く冷血な人が上手く
騙してデマを信じさせるシステムを構築してる、なかなか強敵でも有るわ】とチヅルが言う。【有罪に持ち込めるネタは入って来ているのか】とヒロが聞く
【証拠は有るけど、どのように持って行くかが問題よ、両者を争わせ離れさせる
タイミングが大切】とチヅルが言う。
【今回の連中からなにか掴めると大きいんだよな】とヒロが言うと【ⅭIAとFBIが分裂してくれたらきっとうまく行く】とチヅルが話す。ヒロがバーボンのロックを1杯飲み干し、2杯目をハイボールに変え、スタッフに注文すると、マリが神妙な
顔をして【パパ、実は相談が有るの】と真剣な顔で言う。【うん?珍しいなマリが俺に相談って】とヒロが聞く。【マリちゃん、それは無理だって、マリちゃんだって
知っているでしょ、先生の性格】とチヅルが言う。
マリがしばらく黙っている【何だ?言って、見ろ。聞いて見ないと判断出来ない】とヒロが言う。【パパ、明日話すわ、今は食事とお酒を楽しみましょう】と
マリが答える。マリがこんな態度を取る事は非常に珍しい。
春花がマリを見て【マリ大好き、春花出来る】と言う。マリがハッと驚いた顔を
した後、笑いを作り【ありがとう春花、私も大好きよ】と答えた。美樹が怪訝な顔でヒロをみた。翌朝いつも通り外で修行していると春花がヒロに
【春花、組手する、ヒロ相手して】と言う【春花、今グローブもレガース持ってきてない俺は寸止め出来るが、お前の拳と足が怪我をする】と言う。【先生、拳サポーターなら有る蹴りは靴を履いているしローを使わないなら怪我も心配ないでしょ、
多分なにか試したいんだよ】と美樹が言う。【解った、5分で路地戦想定だ】と
ヒロが言う。美樹が時計を見て、始めの合図をする。春花が殺気を消してニコニコ
して近づき、いきなり飛び込み左肘をぶつけて来たヒロが硬気功で受けなければ肋骨にダメージを受ける威力だ。受けた後、掌底で春花の身体をヒロが押し出すと春花
特有の軽気功でフワッと少し距離を取り、そこから無拍子の前蹴りをヒロの喉元に
繰り出す。流石にヒロはそれを内受けで払い春花の左側に入り寸止めで右鍵付きを
出す。これも距離を取って逃げ、ヒロの後ろに回ろうと三角に飛んで死角に回る。
そのような攻防を5分間やり続け春花は攻撃し続けた。
まるでバスケット選手が相手を抜き去る様な動きだ。勿論、ヒロは100の力は出して無いし寸止めで有るがその身体能力と動きのスピード脚運びは斬新な動きで
有った。組手が終わりチヅルが【この動き美樹ちゃんが教えたの?】と聞くと
【私も初めて見た、先生こんな歩法って有るの?】と美樹が聞くと
【動きの角度は八卦掌と似てるいが八卦掌はあくまで接近した状態での補法や
術式だ、面白い動きだな】とヒロが言う。ロンは何処かから見ていたようで
【素晴らしい子です、やはり特別な子で有る事は確かなようです】と声を掛けた。【見ていたのかロン、どう思う】とヒロが聞く【どう思うも何も、まるで猫科の動物の様です、まだ洗練されて居ませんが完成すれば誰も捕まえる事が出来なく成る
でしょう】とロンが答える。【春花、自分で考えたのか?】とヒロが聞くと
【NBA見た】と答える。美樹が【あっ、FとかⅯの動画を何回も見せた】と言う。驚きである。プロバスケのトップ選手の動きを真似て組手に取り入れるとは。
【良く考えたな、春花、でも基本も大切にしてその動きを応用するんだぞ】と
言った。シャワーを浴び、プロテインとサプリを取りシェルターの朝食で炭水化物を補充した後、ヒロ達は朝のミーティングをした。
マリが【昨日の話なんだけど、春花の力を借りたいの】とヒロに言う
【危ない事なんだな】とマリに問うとマリが頷く。ヒロが【まだ早い、確かに力は
優れてるがまだ15歳だ、普通ならアカデミーの生徒の年齢だ】とヒロが言う
【先生、どんな任務かマリ姉様の話を聞きましょう】と美樹が言う。
【昨日のマリの顔を見て解った、危険極まり無い任務だな】とヒロが言う。
【春花、子供違う、春花出来る、春花頑張る】と言う。【危険はパパとジャンさんが助けに行けば防げると思うの、ただパパが激怒する破廉恥な任務なのよ】と言う。
【先生、破廉恥なのは相手が破廉恥と言う意味なの最後まで聞いて】とチヅルが
言う。ヒロは更に悪い予感がする。【どのように破廉恥なんだ、聞くだけ聞こう】とヒロが言う。【パパ、バスケットチームに潜入して欲しいのよ】とマリが言う。
【バスケットか、何故、破廉恥なんだ】とヒロが聞くと【どうもそのチームが少女
買春に関わってる情報なのよ】とマリが話す。ヒロは頭に血が上るのをハッキリと
感じた腹式呼吸で気を丹田に治め7秒呼吸で自分を落ち着けて聞いた
【それが何故俺たちユニオンの任務に成るんだ?FBIに任せれば良いだろ】と
ヒロが言う。【FBIの長官も絡んでいる噂でFBIも及び腰なの。
大物音楽プロディーサーが絡んで、そこに長官もパーティーに加わってる情報なの】とマリが言う。ヒロの沈黙が続き【その必要は無い俺一人でその連中を皆殺し
にすれば済む話だ】とヒロが言うと【ほら、こうなるでしょマリちゃん、先生は未成年の被害には冷静に成れないの。私でさえ先生と同じ気持ち、傀儡を使って暗殺したいぐらい】とチヅルが言う。【チヅル落ち着きなさい、それでは何も解決しませんよ】とロンが言う。ロンが春花を見ると【春花やる、春花頑張る】と言う。
【子供たちはジャンとヒロで外から守れる体制を取りましょう。虫を上手く利用して、危なければ直ぐに突入してください】とロンが言う【ヒロ、春花絶対にやる】と言う。ヒロがため息を付き春花を見てる。美樹が【私も一緒に入るよ先生】と言うと【中学生のバスケサークルなの、流石に美樹ちゃんの演技力でも厳しいわ】とマリが言う。ヒロが春花の顔を近くで見て確かにお子様に見えると思った。
【春花お子様違う】と怒る。ヒロが【怒るな春花、最近反抗期か】と聞く。
【春花はもう大人の女の子よパパ】とマリが言う。
結局ヒロは皆に押し切られてしまう。その日ジャンがシェルターに現れ打ち合わせをし、ロンとタケシ達は薬物中毒者たちをミネソタまで移送する任務に付き、隼人達は次の任務まで休息を取った。バスケのチームに加わるのは翌日で有った。
ジャンが一人の魔導士の保護者としてヒロが春花の保護者としてチームに行った。
そのチームは貧困家庭や片親の家庭には無料でバスケを教える。
ボランティア団体のチームだと言う。有名コーチが居る強豪チームでプロ経験者も
OBに居ると言う。ヒロは挨拶だけして春花を預け後はジャンにその場は任せ外からドローンで監視した。行われたのは15歳以下のジュニアのバスケで
ニューヨークのチーム同士の交流試合で春花は控えとして登録されたようだ。
後半に入り第三クオーターが終わり点差が40点以上開きこちらのチームの負けが、ほぼ決まった状態で控え選手をコーチが経験のためか出し始め、控えの春花も出た。ヒロはあいつルールとか知っているのか?と驚くが成り行きを見ている。
同じ年とは言えアメリカ人と春花では身長が違う中には180を超える選手もいた。春花のチームは比較的小柄だがスピード重視のチームらしい。その中で春花の
ダッシュ力は軍を抜いて必ず良いポジションに走って行く。これは戦場での手徒格闘や作戦行動の訓練を春花が受けているからなのかそれとも天性の才能なのか解らないが驚くべき能力だ。なんと凄いジャンプ力を見せてダンクシュートで初ゴールを決めてしまった。一瞬にしてチームの人気者に成る。それから、どんどんゴールを決め
1クオーターで15ポイントも決めてしまう。ゲームは負けたが相手チームから
賞讃を受ける大活躍だ。そのゲームで特別新人賞を受賞してしまったのだ。
ヒロはジャンに電話を入れ【こんな目立って大丈夫なのか?】と聞く。
【解らない、そんな手順じゃ無いのだが】と答える。しかしなんと当の
プロデューサーも来賓として試合に来ていたのだ。
どうやら彼はバスケのファンらしい、売名なのかボランティアなのか大会の後援や
寄付活動の顔として来ていたのだ。優秀選手たちが彼から賞状を受け取り、
春花も表彰され、どうやら彼女、彼らが彼の家にセレブ達と共に招かれる事に
成ったらしい。表彰が終わり少年少女たちはバスでパーティー会場にコーチと一緒に招かれた、虫型ドローンで追跡してヒロとジャック、もう一人ⅭIAの人間が
追いかけ到着した場所は規格外の豪邸で、周りは厳重に警備されている。
ヒロは不安に駈られながらドローンの画像を見守る、春花たち少年少女はそれぞれ
浴場にて白い衣装の女に身を清められる。まるで宗教儀式のようだ。
ヒロは直視出来ず、目をそらし思わずそのまま中に突入しようとした。
ジャンがもう少し待とうその場所の近くに移動する手段の為に車を呼んだ。
陸空両用の特殊車両だ。ドローンの一つが来客の中に驚くべき人物を見つける、
なんとその中にウーロンが居たのだ。ヒロはこの際この場所でウーロンは始末する
べきと考えた。ここで死ねば暗殺と言うより乱闘に巻き込まれ死んだ事に出来る。
タロット政権の信用も大きく失墜でき政権崩壊に及ぶと考えた。
勿論ドローンの画像は記録した。一方、春花は白い衣装に身を包まれ浴室から出て
来て例のプロデューサーの所に呼ばれて居るようだ。
プロデューサーが春花達、少女に触れようとした瞬間、春花が八極拳の頂心肘を
プロデューサーに叩き込み少女たちをその場所から逃がす。ヒロ達は車両を空中に
飛ばし3階のテラスに乗り込み壁を車で突き破り突入した。警備の黒服たちもテラスは無防備だったのだ。ⅭIAの捜査員がマシンガンで威嚇して全員に手を上げるように叫ぶ。機関銃を構えた敵をジャンがユニオンの銃で手を打ち抜き無力化して行く。ヒロは2階の春花の居た場所に向かう。ちょうど階段の所で春花と少女達と出会う。下からもⅭIAの捜査員が客を一か所に導き拘束して行く。春花達をテラスの車に
移動するように指示して二階を制圧しに行く。そこには音楽プロデューサーが春花の技で倒れて気を失っていた。心臓に頂心肘がヒットしているのだ、ヒロが直ぐに
蘇生して心臓を押して息を吹き込む。気が付いたが朦朧としているので、そのまま
寝かし救急車を手配した。大勢の捜査員が押しかけて来て、客からスタッフから逮捕している。ⅭIAもFBIも入り混じって居るようだ。ジャックもこちらにサポートしに来てるようだ。ヒロはFBI長官のゲインとウーロンを探した。二人を殺す心算なのだ。すると一回が何やら騒がしい、行ってみるとゲインが銃で撃たれて死んで
居るのだ、ウーロンの姿を探すが見つからない。ジャックに【おいどうなってる
ウーロンの姿が見えないが奴は逮捕したのか】と聞く。
【何を言っているんだ?副大統領のウーロンの事か?】と聞く。
ヒロが【とぼけるなクソ役人が奴を逃がしたなら殺すぞ。それに誰がゲインを撃った
証人を殺したのか】と言う。【ⅭIAの捜査官の一人が射殺したらしい、正当防衛を
主張している】とジャックが言う。ヒロがジャックの首根っこを捕まえ
ⅭIAのキャリーを徹底的に調べろ。見つけられなければFBIも全て潰す
アメリカごと消し去ってくれる】と言う。ジャンがヒロの声を聞き駆けつけ
【落ち着けヒロ、これがアメリカなんだ、ジャックはこちら側だ】と言う。
春花達が捜査員に連れられ下に降りて来てヒロに笑顔を見せる。
ヒロは思わず抱きしめて【春花大丈夫か】と言う【春花大丈夫、皆守った】と言う。【良くやったさすが俺の娘だ】と言う。【ジャック画像のコピーはお前にも渡す。
ウーロンを上げろタロットを倒せたらお前は重席に就けるぞ】と言う。
【それはミンミン党が政権取れたらだろ、役席が欲しくて仕事はしてない。
だがアメリカ国民の害に成る奴らは許さんさ、言われなくてもな】と言う。
ヒロが【そういえば、この仕事は勤務外で追加の仕事だからオプション料金が発生するとお前の上司に伝えろよ。ゲインが死んでお前の上司は席が一つ空いて喜んで居るだろ。おまけにウーロンのネタは1億ドルの価値は有る。こっちは育ちざかりが居て大変なんだ】と春花を見る。春花がヒロを軽蔑の眼差しで見ている。春花と魔導士の子以外の子供をFBIに引き渡し、ジャンの車でシェルターに引き上げた。
ジャンの車はヒロの車より更に最新式の車両のようで春花が興味を持って色々ジャンに聞いて居る【ジャンこれ春花欲しい】とオネダリをしている。
【春花先ず免許を取るんだ】とジャンが言う。【春花、運転出来る、免許無い大丈夫】とごねている。ヒロは将来オネダリ少女に成るのが心配に成った。シェルターに帰りドローンのデーターをマリに渡し、ヒロはシャワーを浴びに行った。未成年の肉体は確かに魅力的に感じる人間が居ても可笑しくは無い。しかしそれは人間の尊厳を全く認めない行為だ。彼女彼らは人形では無く、まだ何も解らない天使の状態で有る。
それを汚い大人の欲望で汚す事が人間として許される行為の訳が無い。
ヒロはもしかしたら未成年の初めての行為や青い愛に幻想を抱いているのかも
知れないが、やはり汚い大人が汚すべき物では無いと思った。シャワーを浴びて
グルタミンとEAAを飲んで一段落しているとチヅルと美樹が春花を連れて
やってきた。【先生、春花がお腹空いたって】とチヅルが言う。
そういえばパーティーで食い損ねたのだ。ヒロが【今日は魚でも良いか?春花】と
聞く。【春花、今日も頑張った、牛さん食べたい】と言う。
【先生、イタリアンステーキの店なら両方沢山メニューあるし、パスタも有るから
そうしましょう】とチヅルが言う。どんどん贅沢に成っている気がする。
しかもニューヨークも物価高なのだ。春花が【牛さん有るか?】とニッコリ言う。
何故こんなに牛に拘るのか?確かにプロテインスコアが高いのは牛肉だが不思議で
ある。ヒロが結局折れてイタリアンステーキの店に行くことに。何故かジャンも付いて来る。ローストプライムリブ、ビーフトマホークステーキ、
オレガノバターグリル牡蠣、ロブスター、パスタ、ピザ等を頼み、スタッフに
取り分けて貰い、好きな物を頼んだ。ヒロと美樹はグラッパ、他はビールかワイン、ミネラル水を飲んだ。ヒロがグラッパを飲んで一息つくと隣の春花が
トマホークステーキを頬張りながら【ヒロ、春花の裸、見たのか?】と聞く。
娘達が【エーッ】と声を上げる。【見て無い他のドローンの画面に目が行っていた】と言う。【ドライブレコーダー見たら解る】と春花が言う。【見て無いよなジャン】とヒロが言う。【俺は外に目をやっていた】とジャンが言う【ホントかヒロ】と春花が言う。【先生、心拍数が上がっているし、目が泳いでいる、怪しい】と美樹が言う。【パパ嘘だよね、嘘と言って】とマリが言う。
ヒロが【信じてくれ、他に目をやっていたんだ】と涙目で訴える。
春花がじーっとヒロを見て【許してやるから、ずっと牛さん食べる】と言う。
【ずっと牛さんは物理的に無理だ、体に良くない】とヒロが言う。
【パパ、任務で無理な時は缶詰とかビーフジャーキーでも良いじゃない、毎食と言う訳でも無いんだし】とマリが言う。【まあ、それなら何とか出来るが、でも見て無いものは見て無いんだ、信じてくれ】と弁明する。
しかしその話はユニオ中でどんどん拡散されるのだった。
ネット社会とは恐ろしいものだ。その夜マリアからヒロに電話が入った。
ウーロンに付いてである。【ヒロ、ウーロンに付いて解ったことが有るわ。
あの男は魔導士の血を継ぐ一族よ、アフリカの出身なのは解って居たけど気を付けなさい】と言う。【ヒロはやはり殺して置くべきだったな】と言う
【どうかしら、罠だったかもね】と言う。想像以上に強敵のようだ。
5月初旬が終わり隼人のチーム、ジャン、ジャックのチームとヒロのチームは
麻薬ルートを追い、それぞれの配置に着いた。
愚才な武人と天才娘達未来編 不自由な新自由主義の反乱児 @tbwku42263
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。愚才な武人と天才娘達未来編の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます