第18話
もう少しだけ…、
そう思った。
もう何も映像は見えなくなり浮かぶ月だけが見える。
体の感覚は無くなっていた。
ただぼうっと意識だけがある。
重たい腕を動かし、本能のまま静かに私に噛み付いている男の頭を撫でた。
意識が途切れる間際に男がふっと笑い何かを言ったような気がするがなにを言ったのかはわからなかった。
そして私は、
月を見ながら堕ちた。
おわり。
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