1章③
◆ ◆ ◆
「以上が首領からの指示だ。黒蜥蜴は僕の指示に従え。敵拠点を見つけ次第、我々で叩く」
「かしこまりました」
「樋口。お前は銀と共に
「了解です。それで、先輩はどうされるのですか?」
「僕は一人で、別方向から捜索する」
樋口は慌てた。「危険です。これは敵の罠かもしれません。それに、先輩は軍警から指名手配されています。私も行きます」
「要らぬ。
「しかし・・・・・・」
芥川を制止する樋口の肩に、銀がそっと手を置いた。
“兄さんなら大丈夫です”── 銀の目がそう語りかけていた。
「・・・・・・わかりました。先輩、ご無事で」反論はしなかった。
「話はまとまったようですな」広津が口を開いた。「では、我々はいつも通りに動くということで構いませんか?」
「かまわぬ。そちらの行動はお前達に任せる。ただし、先走るようなことはするな。何か見つけ次第、
「かしこまりました。では各自、捜索に移れ。くれぐれも全滅はさせるな。捕らえて情報を吐き出させるのだ」
それぞれ、捜索へと向かった。
「私たちも行きましょう」歩き出そうとした時──
「待ってください、銀」銀を制止した。「貴方のその格好では目立ちます。一度着替えてから合流しましょう」
「承知しました」
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