幸せな日々は
優月紬
第1話
慶太が、最近おかしい。これは、間違いなく浮気だ。私はそう思った。
私達は既に同棲している。ちょうど三ヶ月前くらいから。
「慶太、入るよ」
掃除機を持って慶太の部屋に入ろうとすると、バサッと何かが落ちる音がした。
「待って!」
「大丈夫?」
私はその音と声に驚きながら、扉越しに声をかけた。
「あ、ちょっと、やっぱダメだわ。後で自分で掃除機かけるから、ありがとう」
「……そっか」
この日を境に、私はしばらく慶太の部屋に入っていない。
それぞれ帰宅時間が異なる私達は、一緒に暮らしているけど部屋は別々にした。だけど、私はそれを今とても後悔している。
「優里、ただいま!ごめん、今日も部屋にいるから」
「……分かった」
慶太は最近、いつも帰宅してすぐ自分の部屋に入ってしまう。そして、出てこない。夕飯も外で食べているみたいで、一緒に食べられていない。そもそも帰宅時間が遅い。慶太の体温も、当然ずっと感じていない。
これで浮気を疑わないなんて、無理がある。
「終わっちゃうのかな、私達」
私は慶太がいない部屋の中で、一人呟いた。
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