あ、そうだ!会いに行こう

岳者

あ、そうだ!会いに行こうさ

 自分は有名な小説家になるために日々小説を書いている。

 自分の親はベンチャー企業の社長だから自分の手元には沢山のお金がある。お金があるのはいいけれど何もする事ないし退屈だよな。

 自分の近くにあったテレビが急についた。

 自分の家は事故物件でよく寒気がしたり物が動く、テレビが勝手につくなどは当たり前のことだから慣れている。

 その、テレビにはバラエティ番組がやっていた。『君たちの知らない本』という小説を紹介する感じの番組だ。

 なんと、その番組に自分があこがれている小説家がいた。その、小説家は顔と本名も不明でテレビに出る時は曇りガラスを使って出演をしている。

 デビューした本の題名は『甘くなるのは君だけに』というホラー小説である。大体の内容は主人公の家にいる奴隷にいろんな事をするというグロいかったりする表現のある小説だ。世界からはグロいけど見たいという評価を受けて有名になったそうだ。

 そして、自分は思った。犯罪だとわかっているけどその人の家を特定して家に行こうと思う。何もする事が無いならいっその事捕まってそれを小説にしよう。

 持っているお金をほぼ使いその人の家を特定する事にした。


 大体、3時間くらいが経っただろう。

 その、小説家の家を特定する事が出来たらしい。家の写真が送られてその人の顔写真も付きで送られてきた。家を見る限り防音機能もあって1LDKだ。

 早速、あこがれの小説家の家に行こう。タクシーを自分の家の近くに呼んで目的地に行くことにしよう。


 タクシーに乗ってから大体1時間が経った。

 目的地周辺についたからタクシーから降ろしてもらうことにした。

 大体、10分歩いてから目的地へとついたのだ。写真で見せてもらった家とまんま同じだった。

 喜びが罪悪感を消した。

 躊躇をせずにインターホンを押した。誰も出てこない。扉に手を掛けると鍵が開いていた。

 人の家に侵入をしてしまった。恐る恐る玄関に上がり込み聞き馴染みのある声が聞こえてきたのだ。

「そこで、這いつくばりここにいるゴミどもを殺すのだ。悪いのは君じゃ無いんだよ。さて、ナイフをとってお腹に刺して痛みつけるのだ。」

 家中に男女の悲鳴が響き渡った。

 この家には何人もの人がいる。あこがれの人、奴隷、殺された人がいる。まさに『甘くなるのは君だけに』という本とまんま同じ。

「おっと、お客さんが来たようだね。奴隷ちゃん、やってこようか。」

 その声が聞こえ目の前が暗くなった。


『自分のあこがれの人。

自分の奴隷が人を殺した。家中に男女の悲鳴が響き渡る。悲鳴と同時に扉の音がした…。

私は奴隷に向かって「おっと、お客さんが来たようだね。奴隷ちゃん、やってこよか。」と言いその人は動かなくなってしまった。

私のために人生を台無しにする人。そんな人こそ私のあこがれの存在なのだ。』

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