エッセイ

@omuro1

第1話 エッセイ

カクヨムでは、エッセイばかり読んでいる。


物語もいいけれど、エッセイには近さがある。

書き手の温度、暮らしの匂い、言葉の向こうに誰かを感じる。


知らないはずの誰かに、何となく親しみを抱く。

「この人の文章、素敵だな」

「次はどんな話を聞かせてくれるんだろう」

そんな期待を持ちながら、新しい投稿を待つ。



しかし、ある日、ふと気づく。

更新が止まっている。


一週間、二週間……。

「忙しいのかな」と思っていると、一ヶ月が過ぎる。

アカウントを覗いてみると、もうそこには誰もいない。


一度でも文章を読んで、心を寄せたら、友達みたいに思ってしまう。

会ったことも、話したこともないけれど。

一期一会とはいうけれど、文章でだって、きっとそうだ。


たとえアカウントが消えたとしても、その人の言葉は、僕の中に残っている。

そう思うことにする。

そうでも思わないと、ちょっと寂しすぎるから。



でも本当は、僕の読んだエッセイは、すべてAIが書いたものなのかもしれない。

カクヨムには、最初から誰もいなかったのかもしれない。

この宇宙には、僕しか存在しないのかもしれない。

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