俳句雑詠み:春

股間越しアスパラガスにフォーク刺す

春疾風邪魔者全部蹴散らして

転生後また会いましょう焼け野原

ただひとつ卒業できぬこの孤独

雪間だけ許されている異性装

昨日まで友だちだった冴返り

やれたのに春の夢ではやれたのに

いかのぼり地上は重く不自由よ

春灯や好みは耳と聞いたのに

鳥の巣に指輪正しい居場所かな

春菊とパクチーだけは嫌う母

春寒し目を閉じいれば彩る血

ひとりだけ休符でズレる雪の果て

春光やほぐれる身体タイツ脱ぐ

春泥に手招きされて絆されて