第27話

「ハルカ、助けて。」


遅い、遅いよ。

もっと、ずっと前から本当は言いたかったんだよね。


でも、私が言わせてあげれなかった。


おやじは最後にヒントをくれた。

それは、私が過去と向き合うための大切なヒント。


それを持って、東京から福岡に帰る。


夜行バスに乗り込んでぼんやりと外を眺めた。


ピーポーピーポー。と、救急車の音が遠くから聞こえる。


それはきっと、誰かの幸せを崩してしまうサイレン。

救急車のくるまではすごく不安で

当たり前だと思っていた毎日がいかに脆かったか思い知ることになる。


私はこの感情を知っている。


救急車と、夜行バスがすれ違うその時。

思い出した。

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