第8話
それでもやっぱりなかなか別れを言い出すことができず、そのままズルズル行き、1年記念日を越えた。
人生で初めての1年記念日。
嬉しいはずなのに嬉しくない。
ただただ辛い。早く別れたい。
そればっかり。
このまま卒業まで行くのは本当に嫌だ。
よし、口で言えないならメールだ。
そう思って、ある日の学校の放課後、友達に宣言した。
「今日別れる!!」
宣言したからには有言実行しなければ。
メールの本文を打つ画面。
【ごめん、別れよう】
それだけ打って送信しようと思ったけど、うーん、なんか物足りない。これじゃ全然スッキリしない。
そこにまた文章を付け加える。
【ごめん、別れよう。もう無理だぁ。周りからも聞いてたし、全部分かってたよ。先輩のことが好きなんでしょ?そっちに行っていいよ。今まで本当にありがとうね。本当に本当に大好きだったよ。先輩とお幸せに。】
嫌味っぽいかなぁとかも思いつつ、でも最後ぐらい嫌味っぽくてもいいよねと思って、送信ボタンに親指を持っていく。
、、、。
んーーーー。
んーーーーー!!!!
んーーーーーーーーーー
押せん。
送信ボタンと何分格闘しただろう。
友達にも飽きられ始める始末(笑)
よし、次こそ本当に送るよ!!!
送
信
!!!!!
<送信完了しました>
届いてしまった、、。
いや、これでいいんだ。
うん、スッキリ!!!!
けど、返信が怖い。。
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