星のキミ   

・girl's 視点

第1話

わたしは星を見ていた。




昼間は、まだ夏の名残がたっぷり残ったあかい太陽が照り付ける。



でも、夜はすっかり秋の色。鈴虫の鳴く声、ひんやりした風、藍色の空と淡く黄色に光る星。


ヒトリが身に染みる季節。





だいきらいな蚊がいなくなった喜びを存分に味わいながら、マンションの屋上に出て、寝転がって空を見ていた。





ぎい



ふと、扉の開く音がして、びくりと肩をふるわせる。





カチ、ボッ


すー…ふぅ…



ライターの音と、煙草を吸う疲れた息。




しばらくじっとして、わたしとは逆のフェンスに寄り掛かる彼(どうやら男の人らしい)を見ていたけれど、こっちに気付く様子はない。



黙って煙草の火を見てるのも変な話だと思い、わたしは声をかけた。




「あの、」



俯いていた顔が上がる。




星たちに照らされて見えたキミの顔は、思わず息を飲むほど美しくて、哀しくて、儚かった。

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