第100話
焦燥感に駆られ動揺しているせいか、体臭交じりの香水は汗で更に強い匂いを発している。
「話が違うと? 何の事ですかね、金我様」
『大声出して騒々しい』とでも言いたげに社長は眉を細めている。
「と、惚けるな! 社長を辞任するかそこの女を追放するか、選択肢は2つだけだったはずだ! どうしてまだどちらもここにいるんだ!」
「それまた愚問ですね。”どちらも拒否した”と、ただそれだけの事です」
「そんな事は許されないはずだ! この私が……私こそがその席に座るはずなのだ!」
額には、じわりと脂汗が滲み、幾度となくハンカチで拭き取りながらも感情的になる金我。
彼は”確実に自分の思い通りになる”と余程の自信を持っていた。……にも関わらず想定外の結末になってしまったのだから、悔しさでしかないワケだ。
「ご冗談を。誰が貴方等に譲りますか。それに……」
フッと口元だけ笑みを浮かべ嘲笑う社長が”最後の切り札”を突きつける。
「今度はご自身の進退を心配すべきかと」
「ど、どういう事だ」
「金我様の女性に対する
「そ、それは……」
「まぁ近々その件について話がありますので、ご承知おきを――」
仕返しという事なのか勝ち誇った顔で社長は脅しに近く金我を追い詰めると、彼は思い当たる節を感じたのか瞬く間に社長室から逃げ出していった。
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