第93話
「それが、私にもわからないのです。今朝から1度も姿を見掛けていなくて出社していないようですし、無断欠勤でしょうか……」
本当に鮫島も知らなかった。イトカは誰にも告げずに去っていたから。
「あいつ…まさかッ」
鮫島の言葉に不穏な予感がした社長。急いでイトカの携帯に連絡するも、電源が入っていないとのアナウンスで通じない。
「社長ッ!?」
鮫島の呼び止める声は耳にも入らず、彼は社長室を出て行ってしまう。
真っ先に向かった先は自宅。
部屋は綺麗に片付けられており、荷物は何1つ残っていない。
そしてそこで見つけた手紙にイトカが自分のために出て行き、もう帰ってこない事を悟った。
「あのアホ……何考えてんだッ」
何も解決していないまま勝手に出て行った事で怒りと焦りが半々に、家を飛び出した――――
その頃、実家へと帰ってきたイトカは住み慣れた自身の部屋のベランダから
微かに遠くに見えるリーベンビルズの建物を眺めながら、物思いにふけていた。
あの場所に先程まで自分がいたとは思えないな……と。
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