第76話
庶民を毛嫌いする住人達以上に金我自身が最もイトカを不要としている。
だから”社長の解任”を材料で脅すとすれば間違いなく『お前さえいなくなれば』そう言うのは目に見えていたのだ。
「くだらん言葉に影響を受けるな。まさかとは思うが1人で突っ走って、この前のような危険に飛び込むなよ。そんなバカな考えは持つな」
「だけどッ」
腹の内を社長に読まれている事に気付き言い返そうにも言葉が見つからず、結局イトカは口を閉ざしてしまった。
社長の解任を阻止させるかそれが回避出来ないのであれば、誰にも何も告げずに出て行くつもりでいたのは事実。
それしか方法がわからなかったから……。
「心配するな。俺が最善の策を考える」
イトカの不安を取り除くために気を使っているが”最善の策”、そんな安易に答えは見つかるはずはなかった―――
社長は各幹部との臨時総会から始まり、幾度となく呼び出される事が増えていった。
名目としては”説得”と言う名の”説教”
改めて今後の経営方針について、課題まで出されていたよう。
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