*迫られた選択

第67話

晴れて2人は婚約。その知らせは大々的にニュースとなり、イトカの知名度も上がった。そうなれば彼女に対する扱いも変わってくるが、当の本人達はと言うと―――


「赤か黒……いや、純白の白でもいいな……これなんてここがこんなに……」

「社長……さすがにそれは大胆ですよ。もっと控えめな方が……それに色も派手で恥ずかしいです……」


 何やら真剣に意見交換をしている。その姿を鮫島は呆れるように小さく溜め息。


「下着の色を決めているんじゃないんですから、誤解を受けるような言い回しはやめてください」


 ピシャリと一喝。確かに若干、やらしい会話にも思えるが2人が見ていたのはフォーマルドレスの試着室。


 婚約をしたからには最低限ドレスコードはないと2人にとっても恥であり、社長としての威厳にも関わってしまう。


「……よし、それならマシだな」


 ライトブルーが基調のピンク紫のレースを施したフレアなロングドレスに身を包んだイトカが試着室から出てくると、社長は椅子に腰掛けたまま腕を組みながら『まぁいいだろうと』と納得した様子で頷いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る