第48話

卵と数種類の野菜の入った粥とホワイト仕立ての鯛のポワレに、洋風のゼリーまでついている。 

 粥も含めてフランス料理を彷彿とさせていて、それは明らかに”シバ社長の手作り”


「これ……社長が?」

「あぁ。飯食ってないって言ってただろ。昨日お前寝てたから、今朝温め直したんだ」

「社長が料理なんて……」

「文句があるなら食うな」

「文句なんてありませんよ。ぜひ喜んで頂きます」


 気に掛けてくれていた事、わざわざ作ってくれた事。その気持ちがイトカは素直に嬉しかった。


「意外にめちゃくちゃ美味しい……シバ社長って料理出来たんですね」


 シャワーを済ませ、作ってもらった食事を食べながら率直な意見を口にした。


「お前だいぶ失礼だな」

「そうです? だってビックリですよ。料理どころか台所に立ってる姿だって

 1度も見た事ないですもん。作れない人なのかと思ってました」

「知らなかったのか? よくそれで俺の秘書になろうと思ったな」


 社長は完全に呆れた様子で深い深い溜め息を吐いた。

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