第14話

雑用で働くのにどうして住み込みまでしないといけないのか、そもそもどこに住むのか意味がわからず愕然とした。


「決まっているって……住み込みで働くなんて聞いてません。ってか、どこに住めって言うんです? こんなセレブ街の家賃なんて払えませんよ」

「お前……よく喋るな。少し黙ってくれ」


 社長の発言以上の言葉数で思った事を全部声に出したおかげで社長は頭が痛そうに溜め息を吐いているし、その様子を見ていた秘書の鮫島はイトカに対して冷笑している。


「住み込み先はこっちで手配する。今日はもう帰れ。俺も忙しいんだ」

「え、でもまだ……」

「出口はこちらです」


 何がどうなっているのかわからないまま秘書に促されて帰る羽目に。


 『全力で頑張ろう』と意気込んで面接にきた朝だったのに、帰りはまるで全身抜け殻のような脱力感で建物を後にした。


「喜ぶべきなの……?」


 ビルを見上げ、これから起きる出来事にただただ不安でしかない―――

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