博愛主義者

1.市原誠也という男

第1話

―――高校ニ年の春。



クラス替えの発表を見ようと同級生が掲示板に集まっていた。



沢山の人に圧倒されつつ私はそこに潜り込む。



「あ、同じクラスだよ!」


「市原君と離れたくないのにー…」



色んな声が聞こえて、私も期待に胸を踊らせていた。



正直、一年間高校生活を送っては見たけれど…。



あまり社交的ではない私に声をかけてくれる人は少なかった。



私は今度こそ良い友達を作ろう、と意気込んでいた…んだけれども。



「きゃーーー!!」



耳を裂く様な声で私の決意は揺るぎそうだ。

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