第27話

ん…なんか、息苦しい…



パチッと目を開ける。



そこには寝る前に見た天井ではなく、啓の綺麗な顔がドアップで映った。



「…っ!?…け、い…」



何故か唇が上手く開かない。



柔らかい何かを押し付けられている。





……啓の唇……?



驚いて、何も出来ずにいると啓は唇を話して言った。





「…抵抗しないの?」



「ぇ?」



「キスされて、嫌じゃないの?」



「ぇ…嫌って言うか…びっくりして…」



啓の目がなんだか怖くて、

涙が出てきた。



「…っ…ごめん、」



そんな僕を見て、啓がそっと抱き締めてくれた。



「…ごめんね、びっくりしたよね?」



優しく頭を撫でてくれる。



「……ぅん」



「ごめんね、さっきのは忘れて」



頭を撫でられる気持ち良さと、啓の腕の中の心地良さで意識を手放した。

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王子様は同居相手 堀口紅葉 @momiji_horiguchi

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