第26話

…寝顔、可愛いなぁ…



頬に手をのせる。



スースーと一定の呼吸のリズム。



息をするたび、薄く開く唇。



唇の形、綺麗だなぁ…



柔らかそう…



……触ってもいいかな?



親指で祐太の唇を触る。



「…んぅ…」



あ、柔らかい…




…ドクン、と鳴る心臓。



なんか…今日、変だ…



祐太がいないことに不安になって、祐太を見つけてホッとして…



唇に触れたい、

なんて初めて思った。



静かな部屋に俺の心臓の鼓動だけが響いてる気がした。



「…ん…」



祐太の声が聞こえた瞬間、何かに弾かれたような衝撃が走った。



気が付くと、祐太の薄く開いた唇に自分の唇を重ねていた。




〈end〉

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