第13話

「言いたい事、あるんならさっさと言えば。


聞きたい事あるんなら、さっさと聞けば」




「っ」



皐月くん、私の気持ちに気付いて――!?




その言葉に息を呑んで顔を上げる。




「気付かないとでも思ったの」




目を見開く私を待ち構えていたのは、

はんと鼻でバカにした様なお得意の表情だった。




「お前そわそわし過ぎ、あと顔にも表情が出過ぎ。


本当、嘘付けない性格だろ」




「ゔ」



嘘は付けない性格、



それは自分が一番良く分かっている事。




でも、そんな事言われたって――




「言いたい事、聞いてくれるの?


聞きたい事、答えてくれるの?」



ちゃんとした保障も無いのに、そんなチャレンジャーな真似

私には出来無い。

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