第11話

「だからっ…


タオルケット、二人で一緒に使おうよ。


私も皐月くんが風邪引くのは困るから…」




「!」




本当に何言ってんだろう、私。


言ってる傍から顔がカッと熱を持つ。


いちいち赤くなるな、バカ。




「赤くなっちゃって可愛いー」



皐月くんは可笑しそうにクスクス笑った後、



“分かった、二人で使おっか”



そう言って布団を畳み始めた。




「っ」




だから、可愛いなんて、そんな事言わないで欲しい。



そりゃあ皐月くんは今までいろんな女の子に

そんな甘い言葉を沢山吐いてきたんだろうけど…



私はそんな、くすぐったくなる様な言葉

他人から言われた事無かったし…



“可愛い”なんて言ってくれるのも両親位だったから、



こんな時、どんな態度を取れば良いのかと

いちいち反応に困ってしまう。

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