第一章 : 契 約 開 始

甘 美 な 秘 め 事

第2話

「あっ…やっん、」




暗い部屋、湿った吐息とベッドのスプリングが軋む音だけが聞こえる。




…本当に?




いや、それだけじゃ無い。




部屋には私の甘い声と私を脅迫する彼の声も響いていた。




「んっ…」




私の首筋に舌を這わせて彼は妖しく微笑んだ。




「もう少し静かにしてね?

じゃないと依茉の血、全部吸い尽くしちゃうよ?」




「やっあ…!」




それだけは、やめて…!




彼の微笑みに私は恐怖を感じて小さく悲鳴を上げた。




「なら、静かにして」




彼は噛み付く様に私の唇を奪った。




その瞬間、私は抵抗する気力を失い

くたっと身体中の力が抜けてしまった。

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