第18話

「ずっと、って…だって悠聖こそ、ずっと彼女いたよね?」


「従妹のこと好きだなんて言えるわけないし、ましてや付き合えるわけないだろ。だから告白されたら適当に付き合ってみただけ。結局、誰のことも好きになれなかったけど」


「えぇ…女の子たちが可哀想」


「仕方ないだろ。それだけ一途なんだよ、俺は」




一途なら尚更、好きでもない女の子と付き合ったりしちゃダメだよ。


純粋に悠聖を好きで、勇気を出して告白してくれた子たちに失礼だよ。



そう言おうとしたけど、やめた。


こんなことを言われて満更ではない私は、きっと悠聖よりも性格が悪いから。


分かってるけど、でも、こんなに好きだと言われて嬉しくならないはずがない。



でもそれを表情に出すのは癪だから、精一杯顔に力を入れて、ポーカーフェイスを装った。




「ていうか、お前さあ。俺が言えたことじゃないけど、簡単に男を家に上げたりすんなよ。不用心すぎ」


「なに、突然。従兄だから上げたんだよ」




勝手に上がり込んできたのは悠聖なのに、なんで私が怒られてるんだろう。


あんたこそ、突然部屋に上がり込んで襲い掛かってくるなんて、ほとんど犯罪じゃない?


相手が私じゃなかったら警察行きだよ、絶対。




「悠聖も、私以外にこんなことしちゃダメだよ」


「…え」


「普通に犯罪だし、捕まるからね」


「あー…うん。そうだね、お前以外にはしない」




言った側から抱き寄せられて、額にキスが落とされる。


…私が言ったこと分かってんのかな、こいつ。




「小夏」

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