第15話

「あ、凌。皐月のだけ用意してくれればいいから。」


「え、理玖君は?お家で食べる?」


「おー、俺アレルギー持ちだから」


「皐月君は?アレルギーないの?」


「あいつはない。」



淡々と事実だけ伝える。


アレルギー持ちなのは本当。ただ、今日の夜ご飯にそれらしき食材は使われてはいない。


単純に、お腹が減ってないだけだ。



「もー!理玖また食べないつもり??だから痩せてるんだよ!」



皐月が余計なこと言いやがった。




あぁ言っておけば丸く収まると思ったのに。


「ー…家着いたら食べるっつーの」



皐月は知っている。俺が、アレルギーのせいか食に関心がないことを。


食は、栄養を補うためにするもので必要最低限しかとろうとしないこと。

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