第12話

「いーつまでねてんだ、能天気野郎」


頭を叩かれた気配がする。

顔を上げると、市原が俺の頭を叩いたらしい。


なんだかムカついて思わず市原の脛に一発蹴りを入れて伸びた。


「いってぇ!!」


なーんて、市原が騒いでるのは無視だ。



「……もう夕方じゃん…皐月、かえんぞ」


「えー、もうちょっと!今翔太とゲームしてんの!勝ち負けついてないの!」


「…そのセットだけだかんな」


帰ろうと試みたのは失敗したらしい。


待つ間に一服、とタバコを取り出す。

私服を着れば高校生には見えないから。


「…未成年」


皇紀が口を挟んだ。


思わずキョトンとしてしまった。


春風のほう、暴走族なのに。


「おめーら、吸わねーの?」


「法律違反はしねぇ」



「……意外」


それでも、ここにいる奴らが吸わないのに吸うのはマナー違反だと、取り出したタバコをしまった

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