漫画をたく

第15話

漫画というものはつくづく素晴らしいと女は思っていた。

まず自分の何もしていない時間漫画を読めば

たちまちその世界へINして

その世界に飲み込めるからである。



しかし女は「少女まんが」を読むのに抵抗を感じていた。

なぜならばありえないことだらけであるからだ



大体可愛い女が出てきて

かっこいい男参上

いい感じと思えばそこへまた1人男が出てきて

これまたかっこいい



2人の男が女を取り合い

女はその間で自分の感情と戦うという。




たいていのパターンがそれである。



別に女はそういう漫画も嫌いではなかった



しかしあえて遠ざけていたのは

やはり自分も女だからである。



感情を移入してしまうのである。



終わった後の現実に戻されたときのむなしさがなんとも言えなくなっていた。

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