第3話
そして彼氏の家に着く。
「海ー海ー」
女ははしゃいでいた。
この夏はじめの海だったのもあるが
彼氏と海
というシチュエーションがあまり経験がなかったものだから余計であった。
「ちょっと待ってて。俺用意してくるから」
そう言って家に入る彼氏。
外でそんな彼氏を待つ彼女。
「おまたせ」
・・・彼女は違和感を持った。
まず、上から行きましょう
赤いTシャツ。
ラフです。
OKです。
オレンジのハーフパンツ
丈はOKです。
しかし先ほども言いましたが
上は真っ赤なTシャツなんです。
同系色というものです。
そしてとどめ。
足元。
蛍光緑・・・
の靴。
彼女はその瞬間
今日は何をしようとしてたんだっけ??
と自分たちの行動を忘れかけたことは言うまでもなかった。
そして察するまでのその時間も早かった。
何気に賢い彼女。
そして同時に
「今自分の本音をストレートに言ったら
この人を傷つけてしまう!!」という気持ちを持つ。
なんて思いやりのある彼女でしょうか。
女「・・・・・・」
男「どうしたんだよ。なんか変?」
女「・・・・う、ううん・・
変じゃない!!へ、変じゃないよ!
ただ・・・多分・・色あわせがどれも強いから
どっ、どれか一つにした方が・・もっと
似合うと思うよ!!」
彼女は言いたかった。
「なんやねん!!!その組み合わせは!!!目が痛いやんけ!!
なんで赤・オレンジ・緑やねん!!
なんでみんな原色やねん!!おのれは何を主張したいんじゃ!!」
しかし言えなかった。
そしてこの言葉が精一杯であった。
あえて言うなら女はちゃんと彼氏のことは好きだった。
男「そうか??じゃあ着替えてくっかー
もうちょい待ってて」
そう言って再び家の中に戻る彼氏。
伝わってよかった・・と後姿を見ながら肩をなでおろす女。
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