第37話

あれから数ヶ月、一緒に帰っていたものの関係は全く変わらなくずっと諦めていたけれど、そうか、とうとう言葉にされるのか。


そう思うと泣きそうになるので敢えて考えないようにする。



あぁ、少しは強くなれたと思っていたんだけどな。


俺はいつまで経っても弱いままだ。



小さく苦笑いが漏れた。


そんな俺の気持ちも知らないで旭奈は言う。




「まず初めに言うね。先生のことはまだ、好きだよ」


「……」


「三年間も好きだったんだもん。そんなに直ぐ諦めがつくわけないでしょ?」




やはり笑いながら言う旭奈は結構な高攻撃をかましてくる。


一撃目から相当なダメージを受けたが、果たして最後まで持つのだろうか。



そんな不安が一瞬頭を過れば、でもね、旭奈は言葉を続けた。

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