第25話

「見せてください」


「………」


「みーせーてー」


「………」


「お願いー!」


「………」




必死で頼む旭奈がなんだか面白くてずっと無言でいると痺れをきらしたのか、




「もういいもん。勝手に見るもん」




そう拗ねるように言って俺の前にあるイーゼルに当たり前のように乗っているキャンバスを覗き込んだ。



そして、固まった。



ほんの数十秒固まっていた旭奈は隣にあった椅子にすとんっと座り、




「…綺麗」




息を吐くように呟いた。

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