第19話

「…うん。ありがと」




余りにも違い過ぎてショックを受けるが、頑張って笑顔を作って言えば、優しく微笑まれた。



あぁ、好きだな。やっぱり好きだ。


でも、報われない。


どれだけ好きでもこの恋は報われない。



神様は意地悪だ。




「碧ちゃんに彼氏が出来た時は教えてよね」


「えー、出来るかなあ」


「出来るわよ。だってこんなに良い子なんだから」


「そう?」




ベンチに座ってもやっぱり背の高い彼を私は見上げながら問えば、えぇ、と大きく頷いた。



それに何とも言えない複雑な気持ちになる。


おーちゃんに好きになってもらえないと良い子でも意味がないんだよ。




「でも、友達からは絶対無理なんて言われるんだよね」




決して口には出せない思いを隠して言う。




「それはきっと友達の見る目がないのよ。なんて言ったら碧ちゃんの友達に失礼よね」




ごめんね、謝るおーちゃんはやっぱり性格もいい。


友達のことまで気が回るなんて。私なら無理だな。

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