気遣い屋な彼

第16話

待ちに待った昼休み。さっきの話を思い返し、本当に訊こうかなと思っている自分がいて何故か笑えた。




「今日は早いのね」




ベンチに座っていれば後ろから大好きな声が聞こえた。




「はいはい。座って下さいよ。早く食べよう」




珍しく私がおーちゃんを急かせればおーちゃんは楽しげに笑っている。


その笑顔を見れて一瞬でテンションが上がっている私はきっと単純馬鹿なのだろう。




「ねえ、おーちゃんはさ、男の人が好きなの?」




どうしても気になってしまい、やっぱり訊いてしまった。


私のその問いにおーちゃんは少し驚いてから、小さく笑った。




「なあに?急に」


「いや、ちょっと気になって」


「ふふ、今更じゃない?」





笑うおーちゃんは私の質問に対して差ほど気にしていないらしい。


確かに今更な気もするが気になるものは気になるのだ。

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