第10話
「橘さんはいますか?」
突然訪れた見知らぬ後輩に教室にいた先輩は不思議そうに私を見てから彼を呼だ。
「旺太郎!呼ばれてんぞー」
その声に彼は呼ばれた方に目を向け呼んでくれた先輩を見た後、私を見た。
私を見てから一瞬考えた素振りを見せてたと思えば、はっとなりこちらへ駆け寄ってきた。
そんな彼に先輩が咄嗟に訊く。
「旺太郎の知り合い?」
「ちょっとね」
「彼女かと思った」
「何言ってるのよ。アタシに彼女が出来たら世も末でしょ?」
「彼氏が出来たとしても、世も末だけどな」
笑い合っている二人を見て仲が良いんだなと思っていれば彼は私に、何か用事?、と訊いた。
「あの。この前は助けていただいてありがとうございました」
私より頭一つ分以上背の高い彼にぺこっとお辞儀をして言えば彼は笑った。
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