第6話
それを男はばっちりと聞き取っていたらしく、図星だったのか、私の腕を更に強く引いた。
それが痛くて顔を歪めれば、
「大人しく着いて来ればいいんだよ」
なんて偉そうに言った。それが妙に腹が立ってふつふつと怒りが込み上がる。
「女を丁寧に扱えないとか終わってんな」
吐き出すように言えば男はまたもや図星だったのか次は私に手を上げようとした。
それに目を閉じて振り下ろされる手の衝撃に備えていると
「いい加減にしろよ」
低い男の人の声が聞こえた。
目を開ければそれはそれは今まで見てきた中で一番イケメンだと言っても過言ではない男が振り上げた腕を掴んで止めていたのだ。
「これ以上この子に手を出したらどうなるかくらい、分かるよね?」
端正な顔の彼が言うとやけに迫力があり、男は舌打ちをして逃げて行った。
その姿は実に滑稽で、助けてくれた彼はとてもかっこよかった。
***
その時、私を助けてくれたのがおーちゃんだった。
そして私がおーちゃんを好きになった瞬間でもある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます