第3話
「はい、おーちゃんの分」
そのうちの大きい方の弁当を彼に渡す。
「いつもありがとう」
弁当を受け取った彼は嬉しそうに笑い、早速包みを外してふたを開けた。
おかずがぎゅーぎゅーに詰まっているその中から彼は黄色い卵焼きを一切れ箸で掴み口に放り込んだ。
「うん。今日もおいしい」
彼のその笑顔を見て私も笑顔になる。
そして私も彼と一緒に弁当を食べる。
「それで、今日はどうして遅れたの?」
遅れるなんて珍しい、と彼は唐揚げを口に入れながら問うた。
食べるか喋るかどちらかにしようよ。
なんて説教じみた事を思いながらも理由を言う。
「先生に怒られてた」
「あらまあ。今日は何をしたの?」
私の言葉に不思議そうに問うおーちゃんに少しむすっとする。
今日もって失礼だな。
「授業中寝てただけだよ」
タコさんウインナーを箸で掴みながら言えば彼は、ふふ、と笑った。
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