第6話

-NAHO-


りおちゃがトランクに私の荷物を乗せてくれて車に乗ったから、私も助手席に向かう。

なっちゃのせいで顔が熱い。。


「おじゃましまーす」

「どうぞー」


後からカサカサ?カリカリ?聞こえる⋯何の音?


「カワウソ?!」

「あぁ、ごっついゲージのんが、カワウソの風神くんやで。その隣の小さめのゲージがハリネズミの雷神くん」

「チャットで、散歩って言うから勝手にわんちゃんとかかと思ってたよー。かぁわいい。」

「2人共人懐っこいから仲良くしたってなー」

「風神くんも雷神くんもよろしくねー」


カワウソ可愛いー


「七星、顔赤くない?」

「そ⋯そう?」

「体調悪いとかじゃない?」

「とっても元気だよー。今日も楽しみ過ぎて、予定より凄い早起きしちゃって、余裕で髪の毛巻いてきちゃったからねー」

「ホンマにめちゃくちゃ可愛いやん。七星は普段からめちゃくちゃ可愛いねんで。今日も可愛すぎるわー」

「惚れてもいいよーw///」

「知らんかった?既にベタ惚れやけど」

「可愛くないって///本気にするよー?」

「10歳も年上でも七星の恋愛眼中に入れるんなら頑張ろかなー」

「へっ?///」

「フフフw」

「からかって///」


入るどころか、既にりおちゃはど真ん中なんだけどなー


「よっしゃ、恋バナや、七星は今まで付き合ってた人とかは?初恋っていつ?」

「実はお恥ずかしながら、付き合った経験ないの。初恋は、小学生の時にドキドキして、話しかけれなかった人が居て、毎日会えないかな?って期待して、挨拶するのが精一杯なのに会えるだけでテンション上がって、会えたその日はハッピーで、ファッションも真似して、憧れの感情だと思ってたけど、振り返ったらあれは初恋かなって思う人が居るよ。りおちゃは?」

「私は、初恋は高3。それまで、恋愛って興味なかってん。付き合った人数は1人」

「もしかして、現在進行形?」

「いやいや。大学3年の時やで。3ヶ月で別れたし。今は完全にシングルやで」

「そんな綺麗なのに?」

「私のどこが綺麗やねん。七星こそ、そんなに可愛いのに?」

「可愛くないってば///」


シングル⋯私にはチャンスあるかな?


「そうだ、おやつにね、オレンジジャムを使って、パウンドケーキ焼いてきたの。」

「やったー。めっちゃ食べるー!楽しみ!」

「ありがとう///」

「七星、料理好き?」

「料理は上手じゃないけど好きだよ。おじいちゃんと2人だったから、料理はよくやってたの。」

「ええやんええやん」

「絶対、りおちゃの足元にも及ばないけどね」

「私も趣味の領域で、自分が食べたいもん作るだけやからなあ」

「りおちゃのクッキー大好き」

「七星の為ならいつでも作るでー」

「やったー。」


りおちゃの素敵な運転で海のドライブ。

本当に嬉しい。ずっと心臓がドキドキしてる⋯こんなに海ってキラキラしてるんだなぁ。


信号停止中何気なくサイドミラーを見たら、なっちゃとからちゃがキスしてるのをまともに見ちゃった。


「七星、どした?」


慌ててりおちゃの方を見たら、思い切り、りおちゃと目が合った///


「い⋯いや///」


「あぁ、後ろかあw七星ってば可愛いねんから」


バックミラーを見たりおちゃ⋯大人の余裕って言うやつかな?


「七星もしてみる?」


りおちゃの綺麗な指に顎を持ち上げられる


「りりりりりりりりりりりおちゃ///」

「りが多いわw真っ赤っかーwホンマに可愛い子やなあ」

「////////////っもう//////」


りおちゃならいいけどさ⋯//////って何考えてんの///


そんなこんなで着いたりおちゃの別荘⋯二階建ての大きなロッジ⋯素敵過ぎる!


「ゲストルームは1階に2部屋あるんやけど、七星、2階の私の部屋で同室でもええか?」


「う⋯うん。そっか、からちゃとなっちゃ2人だから⋯」「ホクトシチセイちゃん、自分達はくっついてないと寝れないの。お隣の部屋に居ると、せっかく海が見える最高のロケーションの中のロマンチックな夜で、窓開けて開放感を得たいのに声抑えなきゃいけないじゃん」「///////////////」

「意味がすぐにわかっちゃう程度には初な訳ではなさそうだねwって痛っ⋯」


からちゃがなっちゃの頭を叩く。


「なっつん。恥ずかしい事言ってホクトちゃんをいじめないの!」

「だって空ちゃん激しいんだもーん。嬉しいんだけどね。」


「////////////////////////////////////」

「空も夏月もドアホか!」

「本当の事だもん。空ちゃんと自分、ラブラブだから」

「はいはい。そろそろお昼やな、夜はBBQやし、昼は今朝実家でもらったおにぎりとおかずがあるから、簡単にそうめんでも湯がこか」


「そうめんいいねー。悪魔ちゃんのママンのお弁当も美味しいんだよねー」

「とりあえず荷物置いて、そうめん湯がくから、30分後にリビングな。七星は2階の私の部屋においで」


もう顔が更に熱くなってる⋯


りおちゃの部屋は、天蓋付の素敵な大きなベッド⋯


「りおちゃって相当なお嬢様?」

「は?普通やで。」

「こんな立派な別荘で、普通は無くない?」

「父はちょっとした会社を経営してるだけやで」

「お嬢様じゃん」

「違う違う」

「実家、神川でしょ?」

「そやでー」


神川は大地主やセレブが大きな家を建並べる地区でもあるのだ。


「風、部屋では放し飼いやねんけどいいかな?」

「触っていい?」

「もちろん。雷神のゲージはテラスに置いて日向ぼっこかな。」


「大きな望遠鏡だあ。潮風が気持ちいいなぁ」


「七星、下のキッチンでそうめん湯がいてくるわー」

「私も手伝うよー」


荷物を置いて、1階のキッチンへ移動して、りおちゃのお手伝い。

りおちゃの横で、素麺に乗せる薄焼き卵、ハム、きゅうりを刻んでいく。



「手つき慣れてんなあ。私より料理上手いやろ」

「そんなわけないじゃん」

「七星が刻んでるってだけで高級感が出るな」

「それは無いよー」

「七星、冷蔵庫からタレ出してー」


冷蔵庫を開けると、カツオつゆ、ゴマだれ、青しそつゆ、唐辛子入りのつゆが並んでいた


「りおちゃーどれ?」

「どれって?」


素麺を盛り付け終わったりおちゃが近づいて来てくれる


「カツオ、ゴマ、青しそ、唐辛子って並んでるのー」

「七星はどれが好み?オーソドックスにカツオ?マイルドなゴマ?サッパリと青しそ?辛い唐辛子?」

「どれも美味しそうだねー」

「夏月は辛いの苦手やねん」

「じゃあ、カツオか、ゴマ、青しそだね。りおちゃはどれが好き?」

「私は七星が好き」

「なっ/////////////////////」

「あは。反応可愛いねんから」


「悪魔ちゃんがホクトシチセイちゃんを口説いてるー」


「な///なっちゃ/////////」


「私はサッパリ系が好きやねんけど、空、夏月、青しそでええか?」


「いいねー」「美味しそうだね」


お昼ご飯を食べて、海で遊んで水着のまま夕飯は砂浜でBBQ。


お風呂に浸かって一日をふりかえる。


こんなに楽しい休日を過ごせるなんて思わなかったなー


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


T.RIO


七星がお風呂に入ってる間、リビングにアイスコーヒーを片手に夏月と空と座る。


「悪魔ちゃん、ママンとパパン元気だった?」

「元気元気。最近、会った時に、結婚や孫やら毎回言われてウザかったから、今回、カミングアウトしてん」

「えええ?!どうだった?」

「なんか、めっちゃ力んでたのに、〝やっぱりな〟みたいな反応でさー。拍子抜けした感じ」

「良かったじゃん。自分もカミングアウトする時は緊張したわ。」

「案外スっと受け入れられたし、俺はカミングアウトと同時になっつん紹介して、母親は喜んでたのでほっとしたけど」

「結構、勘当覚悟みたいに力んでたんやで」

「親ってそういうの解ってるもんなんだね」

「そういえばトッティー、実家の前に寄り道するって言ってなかった?」

「ああ、私、神川に引越して、初めての学校からの社会科見学で、隣の駅にあるプラネタリウム行ってん。それで星にハマって、社会科見学で行ったプラネタリウムにお小遣いで通って、親に頼んで、その年のクリスマスに通ってたプラネタリウムの年パスをそれ以降毎年プレゼントに買って貰って多い時は週3くらいのペースで通っててん。それこそ、大学入るまで。大学入っても帰省したら寄る感じでな。そこのオーナーもめっちゃええ人で、私が高校3年の時かな、オーナーの孫ちゃんがチケット売り場に居て、初めて喋ってん。めっちゃスラッと背が高うて、金髪のポニーテールで、めっちゃ綺麗系やけど、声と笑顔の幼い感じで何個か年下かなって思っててん。その後もプラネタリウムに行った時に、ニコニコ挨拶してくれてさ、ホンマに可愛くて、緊張し過ぎて話しかけれんくて、遠くから見てた。完全に惚れてしもて、私がレズビアンなんやって気づいたきっかけになった今も名前も知らん、オーナーの孫ちゃんって事しか解らん子。なんか、夏月が初めて七星を連れてきた時にその子を思い出す懐かしい感じがあって、会えたらええなって思って、プラネタリウムに寄ってん」


「へー。そのトッティーの初恋相手に会えたの?」

「いや、会われへんかった。オーナーとめっちゃ話してんけどさ、オーナーの孫ちゃん、私が最後に会ったのんが大学2年の時で、その当時、そろそろ高校生くらいか、高校生なったんかなって見てたんやけど、10歳も歳下やってん!」


「悪魔ちゃんの初恋相手、当時小学生だったの?ロリコ⋯痛っ」


夏月の頭を叩いてしもた


「聞こえはそうなるかも知らんけど、そんなに歳下って思わへん位に大人っぽかったんや」

「そのオーナーの孫ちゃん見たーい」

「写真見るか?」


私は実家から持ってきた写真を見せる。


「金髪ショート時代のトッティー、懐かしいね。この隣に写ってる金髪の子だよね?」

「大学2年の時に夏祭りの手伝いして、撮ってもらった唯一の思い出の写真やねん。その時も緊張し過ぎてほとんど喋られへんかったけどな」

「確かに小学生に見えない子だねー。悪魔ちゃんとタメって言われても納得しちゃうよね」

「そやろ?」


「お風呂お先でしたー」


七星がお風呂から出てきた。黒のセットアップで出てきた七星⋯眩しい⋯可愛すぎて神々し過ぎる⋯


「七星⋯部屋着可愛すぎやろ!!!へそピ出てるー。そのブランド!めっちゃ好きで、私昔は毎日、そのブランドのセットアップ着てたで」

「このブランド、基本ショート丈だからおへそ出る丈なんだよね。前に話したへそピと舌ピ開けるきっかけになった人がよくこのブランド着てて、真似しちゃって、集めてたから、今は部屋着にしてるの。」


「ちょっと待って、あ。私も今日の部屋着同じブランドのセットアップ持って来てるわ。お風呂上がり、イロチやで!私は水色!」


「えー早くみたい!」


「トッティー、先にお風呂入ってきたら?」

「自分達、朝シャワー派だからね」

「じゃっ。そうしよかな。七星、夏月と空に虐められたらちゃんと言うんやで?」


「虐めまてーん」

「ホクトちゃん虐めたら、俺達の命が⋯」

「解ってるならよろしいw七星、冷蔵庫にアイスミルクティーあるから飲んどきなー」


私は、机に写真を置いてお風呂へ向かった。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。

-NAHO-


りおちゃがお風呂に行って、しばらくなっちゃとからちゃと話してたら喉が乾いちゃって、冷蔵庫からペットボトルのミルクティーを取り出してリビングに戻る。


「さっき、ホクトシチセイちゃんがお風呂の間、悪魔ちゃんの初恋相手の話し聞いてたんだー」


「そ、そうなんですね」

「聞きたかった?」

「んー⋯」

「好きな人の初恋話しは嫉妬しちゃう?」

「なっちゃ///好きな人って///」

「大好きでしょ?」

「ま⋯///まあ///でも、私歳下だし⋯」

「ホクトちゃん、トッティーの初恋相手、10歳も歳下だったらしいよ。だから、充分恋愛対象だと思うよ」

「そ⋯そうなんですね///」

「悪魔ちゃんの初恋相手、ホクトシチセイちゃんに雰囲気が似てる感じがあるんだって」


「そうなんですね///」


「ねえねえ、空ー、ホクトシチセイちゃんの今の服、さっきの写真の悪魔ちゃんと全く同じじゃない?」

「確かに。」

「写真???」


「さっき、悪魔ちゃんが実家から持ってきた昔の写真見てたんだ。あ、あれ。テーブルの上の」

「見て⋯良いのかな?」

「ダメならこんなところに置いて行かないでしょ。ね?同じ服ー」

「へ!!!!!」

「ん??」

「あ⋯いや、金髪ショートのりおちゃすっごい可愛い!ふ⋯服も同じだね」

「だよねー」


この⋯写真⋯

スマホのおじいちゃんからもらった画像を出す。


やっぱり⋯同じだよね?


あの⋯お姉さん⋯りおちゃなの?


「ただいまぁ」

「り⋯りおちゃ!おかえりなさい。服同じだね」

「あ?どしたん?声裏返ったで?服同じなん嬉しいなあ」

「さっき見せてもらった悪魔ちゃんの写真見てたー。置いてったんだからいいでしょ?」

「ああ、別に構わんけど。冷たい飲み物取ってこよ」


「自分トイレー」


「ホクトちゃん?どうしたの?大丈夫?」

ぼーっとしてると、からちゃに話しかけられてびっくりした。


「実は、おじいちゃんに、私の部屋に飾ってる私の金髪時代の写真の画像をスマホで送ってもらったんですよ⋯これ⋯なんですけど」

「⋯え?え?!」


「ん?なになにー?何見てるのー?」

「わ⋯たしの金髪時代の画像です」

「自分も見たい!ってええぇぇえ!」

「は⋯ははは⋯私の金髪時代に、私が舌ピとへそピを開けるきっかけになった、おじいちゃんのプラネタリウムによく来られていたお客さんで、今思えば、ドキドキして挨拶くらいしか出来なかったけど、会えるのが楽しみであれは恋愛感情かなって思う、ピアスや服装真似してた方と撮った唯一の写真で⋯」


「トッティーじゃん!っていうか同じ写真だから!運命!」


「いやいやいや⋯からかわれる妹ですから」


「ホクトシチセイちゃん、悪魔ちゃん帰ってきたらタイミングみて自分達ラブラブタイムしに部屋入るから、悪魔ちゃんとちゃんと話しな?絶対大丈夫。幸せはすぐそばにあるよ」


「七星ー。フルーツでスムージー作ってきたでー」

「りおちゃ、おかえり。」

「夏月と空に虐められへんかったか?」

「そんな事しまてーん。まだ命惜しいですー」

「七星、ほんまか?」

「りおちゃ、大丈夫だよー」

「ならええけど」


しばらく4人でお喋り。


「ねーねーからぁ、そろそろ眠くなってきちゃった」

「なっつんそろそろ寝る?」

「からー抱っこーそのままベッドに連れてって」

「襲うぞ」

「いいよーwって事で、悪魔ちゃん、ホクトシチセイちゃんおやすみ!」


なっちゃはからちゃに抱っこされてウインクしてリビングを出て行った。


えーっと⋯どうしよう⋯


「ホンマにあいつらは⋯七星、先部屋もどるか?私、洗い物済ませて、戸締りしてから上がるわ。」


「う⋯うん⋯」


私はトイレを済ませて部屋に入った。


窓際のソファーに座ると膝に風神くんが擦り寄って来てくれた。


「風神君。頭撫でていい?可愛いいいぃぃぃぃぃぃぃ。改めて、北斗七星です。よろしくねー。風神君は、りおちゃの子になって長いの?」


「2年かな。」

「へっ!りりりりおちゃ」

「りが多いてw風神が、初対面でそこまで懐くのんは珍しいなー」

「そ⋯そうなの?///」


りおちゃの顎が肩に⋯ち⋯近っ⋯///


「七星⋯疲れた?」

「どうして?大丈夫だよ?」

「お風呂上がりから元気ない感じしたから、疲れさせてしもたかなって」

「すっごい楽しい一日で、そもそも、こんなに楽しい休日も久しぶりだったの」

「友達と遊びに行ったりせえへんの?」

「ほら、前話した通り、学校の後と、お休みはおじいちゃんのプラネタリウム手伝ってたし」


「私は家がプラネタリウムって羨ましさしかない。」


「りおちゃ⋯⋯えっと⋯」

「ん?どしたん??」

「ふー⋯えっと、さっき、りおちゃがお風呂入ってる時に見せてもらった写真⋯」

「ああ、若い時の写真なw」


「私ね、家、プラネタリウムじゃん?」

「うん」

「神川の隣の加地なんだよ」

「言うてたなあ」

「来る時の車で言った、今思えば初恋相手のお客さんさ、同性、女の人なの」

「⋯う⋯うん」

「その人とは毎回会える、挨拶するだけで嬉しくて、その人はおじいちゃんとも仲良くて、プラネタリウムのイベントを1回手伝ってくださって、その時に一緒に写真を撮ったの。その写真は家の私の部屋に今もずっと飾っててね、今朝、おじいちゃんにその写真の画像をスマホで送ってもらったんだけどね⋯こ⋯これ」


「えぇぇえ?!!」


「おじいちゃんのプラネタリウムは加地のPolaris⋯おじいちゃんは三千一-みちかず-お客さんから〝みちさん〟って呼ばれてるの。私、この画像のお姉さんの舌ピとへそピ、ファッションも真似してた。会えると嬉しくて、挨拶出来た日は寝るまでHAPPYで⋯」


「あ⋯たし⋯やん⋯私な、神川に引越して、初めての学校からの社会科見学で、隣の加地駅にあるプラネタリウム行ってん。それで星にハマって、社会科見学で行ったプラネタリウムにお小遣いで通って、親に頼んで、その年からはクリスマスに通ってたプラネタリウムの年パスを毎年プレゼントに買って貰って多い時は週3くらいのペースで通っててん。それこそ、大学入るまで。大学入っても帰省したら寄る感じでな。そこのオーナーもめっちゃええ人で、私が高校3年の時かな、オーナーの孫ちゃんがチケット売り場に居て、初めて喋ってん。めっちゃスラッと背が高うて、金髪のポニーテールで、めっちゃ綺麗系やけど、声と笑顔の幼い感じで何個か年下かなって思っててん。その後もプラネタリウムに行った時に、ニコニコ挨拶してくれてさ、ホンマに可愛くて、緊張し過ぎて話しかけれんくて、遠くから見てた。完全に惚れてしもて、私がレズビアンなんやって気づいたきっかけになった、名前も知らん、オーナーの孫ちゃんって事しか解らん私の初恋相手⋯夏月が初めて七星を連れてきた時にその子を思い出す懐かしい感じがあって、会えたらええなって思って、昨日は実家の前に思い出のプラネタリウムに寄ってん」


「うん⋯おじいちゃんが昨日お姉さんが来て、私の事も元気?って聞いてくれてたって聞いたの⋯わ⋯私、第2資料室通うようになって、りおちゃと仲良くなって、りおちゃと居ると本当に眠くなるくらいに安心できて、何日か会えないと寂しくて⋯プラネットカフェで、周りの子がなっちゃとりおちゃが恋人同士なのかなって話してるの聞こえてモヤモヤしてるのをなっちゃが解っちゃったみたいで、なっちゃから、なっちゃは同性愛者で、相手も居るからりおちゃと付き合うのはありえないって聞いて、ちょっと安心したんだけど、なっちゃが、りおちゃのストラップか、カバン見てって言ってて、スマホ見たらレインボーリボンついてて⋯でもりおちゃくらい綺麗なら相手居るかなって考えてて⋯⋯今日もりおちゃは大人だから、車のミラーで、なっちゃとからちゃのキスを見ちゃった時、りおちゃに七星もしてみる?って言われて、本当に心臓が壊れそうなくらいドキドキしながら、りおちゃなら本当にされたいとか思っちゃう自分も居て⋯りおちゃは大人だし、妹をからかう感覚なんだろうなーって思って⋯」


「からかうなんて、そんな⋯感覚なわけないやん⋯今、本気で好きな子は居るけど私は非常勤やけど、学校に務めてて、10歳も歳下で、レズビアンを受け入れて貰えるかも解らへんし⋯数え切れないくらいの回数、抱きしめたいのは我慢してるねんけど⋯」

「クラスで仲良しの3人の友達の内1人には、プラネットカフェの時に、私の想いに気付かれてて、その子も女の子と付き合ってるの。その子に聞いて、私も小さいけど、カバンにレインボーリボンつけたの⋯」


「昨日、プラネタリウムのオーナーと話してて、私の初恋相手が、オーナーの孫って気付かれて、孫ちゃんが大学卒業したらプラネタリウムを継ぐから、もし孫ちゃんが従業員募集するなら1番に面接受けるって言って、オーナーと連絡先交換してん。オーナーは、孫ちゃんの事口説いていいって言うててんけど⋯本気で口説いていいんかな?」


「///おじいちゃん⋯そんな話し/////////」


「私は初恋相手に再恋愛してるらしいわ」

「⋯私も初恋相手のお姉さんに再恋愛してる」

「10歳も上やで?」

「関係⋯ない⋯」

「七星に嘘偽りなく、恋してます」

「私も、りおちゃに恋してます⋯」

「七星、私と付き合ってくれる?」

「よろしくお願いします」

「幸せすぎる⋯夢か?」

「夢にしないで」


りおちゃに抱きついたら、抱きしめてくれた。

すっごい安心する。あったかくて、この匂い⋯ずっと包まれてたいな⋯


「あったかい⋯安心する⋯」

「私、好きな子には結構嫉妬深いで?常にくっつきたいし、外でも関係なく」

「うん。嬉しい。でも私、今まで付き合った事ないから、恋愛は完全に不慣れなの。」

「私もちゃんと付き合った経験って大学3年の時に3ヶ月だけやから、経験値は少ないけど、これから、七星に愛を伝え続けるから⋯」

「ありがとう⋯」

「七星、こっち向いて?」

「今、顔真っ赤なの」

「ふふふw知ってる」


りおちゃの指が私の頬を滑り、顎を持ち上げる


「可愛すぎる⋯昼間のバカップルがしてた事、七星もしてみる?」

「りおちゃなら⋯されたい⋯かな⋯」


何度も重なった優しい唇⋯

窓から入る優しい潮風と満天の星空がバックに広がるロマンチックな空間で⋯

幸せな私の1stKissでした。


#7に続く

































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