第5話
翌日
-NAHO-
久しぶりに10時まで寝ちゃって、スッキリと目覚めた。
やる事がないから2度寝しちゃいそうだな……
寝転がったままでスマホを見る
雅:なーほー。モヤモヤは晴れたかな?
モヤモヤって……
雅と夜に電話する事になった。
ん?グループトークも未読が溜まってる…
夏:あーくーまーちゃーん
夏:かーらー
夏:ほーくーとーしーちーせーいーちゃーん
夏:誰もいないとか!ま?!?!
夏:ま?ま??ま?!?!
夏:良い子は早寝早起きよ!
夏:早起きは三分の得と言うでしょ★
夏:反応してくれなきゃ僕泣いちゃう
夏:ふーんだ。拗ねるモーン
夏:あーつーいーよー
冬:文面がやかましいわ!なんで三分だけやねん
空:早起きは三文の徳だし
夏:アイス食べたーい。
冬:空、氷突っ込んだれ
空:うち、ウイスキー用の丸い氷しかない
冬:夏月自身をいっその事冷凍庫に入れるか
空:重くて持てないし、サイズ的に入らないねw
冬:仕方ない、丸型氷を突っ込んで静かにさせよ
夏:僕、アイスはチョコ派なんだよー
冬:氷にチョコかけろ
空:うち、チョコない。なっつん用のココアの粉ならあるけど
冬:それで充分やで
夏:僕は大人だから高級アイスしか食べないー
冬:やかましいわ
夏月先生はテンション高いなーw
冬:既読3になった!
七:眺めてたwおはようございます...
冬:七星おはよう!
七:りおちゃ!おはよう!休みだから寝すぎちゃったw
空:おはようです
夏:カタツムリシチセイちゃんwおはよう
七:誰がカタツムリなんですかw
夏:寮にこもった、カタツムリシチセイちゃんw
七:空さんおはようございます
冬:七星、今起きたんか?
七:さっきだよー。アラームかけず寝てたからね
冬:可愛いなあ
七:可愛くは無いけど
空:今日はまったりの予定かな?
七:はい。明日は買い物に行く予定です
夏:ソロ活シチセイちゃん★
空:トッティーは今日から実家だっけ?
冬:いや、明日。寄り道して、夕方帰る〜
夏:良い子は寄り道しないのw
冬:夏月やかましいわ!七星買い物って何買うん?
七:あさって皆さんと海行く時に持って行ける、水着も欲しくてね。
冬:七星の水着...一眼レフ!
七:いらないってばw
夏:おじまちゃんだー
空:おじま?トッティー捕まるよw
夏:おじさん+悪魔ちゃん=おじまちゃんw
冬:夏月シバく
夏:きゃ〜逃げろ〜w
空:北斗さん、トッティーの盗撮に気をつけてね
夏:空w呼び方wホクトシチセイちゃん!
空:何て呼んだらいいか聞いて無かったから
七:呼びやすい呼び方でw私はなんとお呼びしたら...
夏:ホクトシチセイちゃん、空だよ!
空:空で良きですよー
七:じゃあ、りおちゃはりおちゃなので、からちゃでどうでしょうか?
空:じゃあ、ホクトちゃんと呼びますー
夏:自分だけ先生呼び??疎外感満載!!
七:夏月先生はなっつんですよね?なっちゃにします
夏:いえっさー!自分と空にも敬語無しね!
七:了解ですー
冬:そろそろ、風-ふう-と雷-らい-の散歩行ってくるわー
七:りおちゃのペット?
冬:そーやでー。あ、あさってからも同行するけど、七星はペット系のアレルギーとかない?
七:ないよー。動物大好き!
冬:良かった!
夏:自分、空拉致ってアイス買いに行ってくるー
空:拉致?!
冬:空、逃げろ
夏:空ちゃんの愛する夏月君がお迎えに上がっちゃう★
冬:七星は?この後は?
七:夜にクラスの友達と電話する約束をしていて、それまではひたすらまったりかなー
冬:そかそか。じゃあゆっくり休みや。
七:はーい。ありがとう
空:それではまたー
夏:ばーいちゃ★
なんだかんだ3人すっごく仲良しだなあ...皆さんと話してると楽しいし、海も楽しみだなー
寮の中に人もすごく少なくて、休日や休校期間は食事も個人で用意しないといけないルールだ。
朝昼兼用で前に作ったオレンジジャムでトーストを食べる。
あ、明日、このジャムでお菓子作って海に持って行こうかな。悪くなる前に消費しなきゃもったいないしね
案外、何するでもなく、ぼーっとしてたり、テレビやスマホだけの日って過ぎるのが早い
コンビニに行って美味しそうなパスタを夕飯に買って食べて、お風呂に入って出てきたら、ちょうど雅から、電話いつでもOKってメッセージがきてた。
「なーほー」
「はいはーい」
「声がそんなに暗いわけじゃあないって事は、あの2人は付き合ってたわけじゃないんだ?」
「うん。大学の同期で、夏月先生には恋人が居たよー」
「冬馬先生は?」
「んーそこは聞けてない」
「聞けばいいのにー」
「聞けないって。あんなに綺麗なんだよ?居るでしょ」
「七星、もし、冬馬先生に相手が居たらショック?」
「んーわかんないけど、想像したらなんでか胸がキュってなった」
「ねえ、七星可愛いから!それ、恋だから!」
「え!どこら辺が?」
「一緒に居て安心出来るんでしょ?」
「うん」
「想像したら胸がキュってなったとか、恋以外の何でもないからw」
「そーなのー?!」
「あとは冬馬先生の恋愛対象だね」
「あ、雅、絶対誰にも、杏優にも、羽純にも言わないでね」
「うん」
「りおちゃ、レインボーリボン持ってたの」
「おぉー!あとは相手居るかだけじゃん!」
「それが1番聞くの難しくない?」
「ってか認めたね。恋愛って」
「うん...自分が同性愛者なんだってびっくりもあるんだけど、昔から、異性に恋愛感情とか湧かないってしっくりくるし、異性にドキドキする感覚なんて無かったのに、りおちゃにはドキドキするし...違和感とか居心地悪さの正体というか、これが恋愛感情なんだなーって」
「七星可愛いね。」
「可愛くは無いけど、ねえ、雅はレインボーリボン持ってるの?」
「持ってるよー」
「どうやって手に入れるの?」
「ネットで買えるし、セルフでパソでダウンロードして、シールに印刷してる人も居るよー」
「シールのプリント用紙あるから後でやってみようかな」
「冬馬先生が見えるとこに貼って、アピっちゃえば?あ、私、最初はセルフでパソでプリントアウトして、100円ショップで買えるオリジナルキーホルダー制作してたよ」
「それいいねー。明日、買い物行くからやってみようかな」
雅と気づけば2時間話してて、電話の後、パソコンでレインボーリボンをダウンロードした。
自分自身の事を1つ解った感じでなんだか嬉しいな。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
翌日
起きて、簡単に朝食を済ませてお買い物へ
すっごく可愛い星柄のワンピースを見つけて、明日持っていく為に買って、水着コーナーへ
「七星?」
振り返ると、羽純が居た
「羽純おはよう。」
「おはよう」
「1人?」
「生徒会の買い物だよー。天先輩があっちに」
「デート?」
「ちがっ///」
「デートじゃん」
「///な⋯七星は、水着?」
「うん。暑いからちょっと泳ぎに行こうかと思ってね」
「いいねー」
「天先輩待ってるよ。デート楽しんでー」
「///だからデートじゃないから///」
羽純、いつもと違うメイクして、可愛かったなあ
水着は、ビキニ?ワンピース?ビキニタイプの方が着替えやすいよね
綺麗なエメラルドグリーンの水着を購入して、
食品コーナーで製菓材料とラッピンググッズを買って寮へ戻って、オレンジジャムを使ってパウンドケーキを焼いた。
皆さん食べてくれるかなあ...
味の保証はないけど⋯
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
T.RIO
今日は父と母に夕飯を食べに帰ってこいって言われてるから夕飯は実家で食べて、1泊する予定。
どうせまた、父に結婚はまだなんかとか孫見せろとか言われんのやけど...母は多分、私が同性愛者なのには勘づいてると思う。
そろそろカミングアウトしてみよかな...
結婚だの孫だの言われるのもそろそろウザいし。
だって、今好きなんも10こ離れた女子やし...
ペットの風と雷をそれぞれゲージに入れて、車に乗せて車を出す。
年2回の同期3人旅行に今回は七星が来る。
めちゃくちゃ嬉しくてニヤける。
今日は、昔通ってたプラネタリウムに寄ってから実家に帰る予定。
オーナーの孫ちゃん会えるかな...
聞いてないけど、多分、当時私が高校卒業前の時点で、次高校生くらいかなーって見てたから、どう考えても大学4年とか、就職したとか、結婚したとかも有り得る年齢よな。
プラネタリウム継いでるとか、会えたら嬉しいねんけどな...
私が、同性愛者なんやって事に気づくきっかけになった可愛い子。会えんくても元気で幸せに居ってくれたらめちゃくちゃ嬉しいな。
プラネタリウムの近くの昔よく行ったうどん屋でお昼を食べてプラネタリウムに向かう。
うどん屋のおばちゃんも元気そうやった。
駐車場に車を停めて、レトロな門をくぐり、進むと、相変わらずなデニムのエプロン姿のここ、Polarisのオーナーが事務所の小窓に座って居た。
「オーナー。久しぶり。わかるかな?」
「その関西弁は、りおちゃんじゃな?」
「覚えてくれてたー?良かった。ご無沙汰です」
「本当に久しぶりじゃのぉ。綺麗になって。髪の毛も黒じゃないか?!そしてトレードマークのじゃらじゃらピアスも少なくなってしもぉて」
「さすがに社会人やからなwオーナー、久しぶりに1スクリーン観れる?」
「上演時間が変わってしもぉてな、あと1時間あるんじゃけど、どうする?」
「待ってもいいし、オーナー、何か手伝うことある?」
「久しぶりに来てくれたんじゃ、1人で話す事の無いこのおじいの話し相手になってくれたら、1スクリーン無料で観てってええぞ」
「いやいや、チケット代はちゃんと払わせてや。な?話し相手くらいいくらでも。お安い御用やん」
「ありがとうなあ。コーヒーくらいご馳走させておくれ」
事務所の応接スペースに居ると、オーナーがコーヒーと、星型のチョコレートケーキを出してくれた。
「いただきまーす」
「チョコレートケーキ、冷凍なんじゃ、解凍しきれてなかったら言うんじゃよ」
「すっごい美味しいけど、お取り寄せ?」
「ガトーショコラとかいうケーキで、わしの孫覚えてるか?あの子が作って5つ、冷凍で送ってくれたんじゃよ。なかなかいけるじゃろ?」
「孫ちゃん、離れて暮らしてるん?元気なん?」
「おぉ、大学に入って、今、寮生活じゃ」
「え?ちょっと待って、あの孫ちゃん、私の3つか4つ下くらいかと思ってたんやけど!」
「あの子は小学生の頃から背も高くて、ここの客人に、高校生と間違われてたからのぉ。今年、大学1年生になったんじゃが...」
「えーええぇぇえええええ。10も下???!!最後、あの夏祭りの手伝いした時に会った時、私は大学2年やったから、小学5年?!?!てっきり、次高校生くらいかと思ってたわ!」
「金髪で、背が高くて、しっかりし過ぎてたから小学生には見えんって言われてたな。夏祭りの時の孫とりおちゃんの写真、孫の部屋に飾ってあるんじゃよ」
「私もまだちゃんとあの写真は持ってるけど、そんなに年下やったんか?!」
「大学卒業したら、孫がこのPolarisを継いでくれるって言うから任せようと思ってるんじゃよ。おじいは隠居じゃな」
「孫ちゃん会いたいわーって言うか、孫ちゃん、ここで雇ってくれへんかな?」
「りおちゃん、働いとるんじゃろ?」
「私、非常勤なんよ。どうせ、結婚とかの未来は無いんやし、正職に着きたいねんけど、やっぱり天文学が好きやからさ」
「結婚ないのか?わからんじゃろ」
「私、同性愛者なんよ。やから、法律が変わらん限り、結婚はできひんねん」
「ほぉ、昔からか?」
「恋愛に興味もなんもなくて、高校3年生の時に、初めて、可愛すぎて、話しかけれんくらいドキドキして、見てるのが精一杯やった相手が女の子やってん」
「もしかしてうちの孫?」
「え?バレた?」
「夏祭りの時に、うちの孫に緊張して話しかけれん言うて終始真っ赤になってたじゃろ?そんな人見知りじゃったか?と思ってたけど、そういうことじゃったか。今は彼女は居らんのか?」
「っていうか、オーナー、同性愛者ってとこに引かへんの?」
「そんなの、今の時代には別におかしくもなかろう?わしは、うちの孫を口説いてくれても、りおちゃんなら歓迎じゃよ」
「10も下なんやろ?あんな可愛い子、周りがほっとかへんやろし...ま、今私が気になってる子も10こ年下やねんけどね」
「うちの星オタクの孫、りおちゃんと気が合いそうな気がするんじゃけど。。ま、いずれここは孫に任せるから、孫が従業員雇うなら、りおちゃんみたいな星オタクが来てくれたら、心強いと思うんじゃけどね、わしは。」
「孫ちゃんが人雇うなら、1番に連絡してよ!面接受けに来るから。」
オーナーと連絡先を交換して、1スクリーン見させてもらった。
オーナーさんと久しぶりにゆっくり話せて嬉しかったなー。びっくりする事が多すぎたけどw
Polarisを後にした私は、実家に向かった。
夕飯の話題は予想通りの、結婚や孫の話題で、勘当覚悟くらい意気込んで同性愛者である事を両親にカミングアウトし、結婚は法律が変わらん限り難しい事を伝えると、両親共に、あっさりと、やっぱりなみたいな反応を見せられ、でもいい歳なんやから、パートナーくらい見せろって言われた。
結構力んでカミングアウトしたのに拍子抜けだった。こんな反応ならさっさとカミングアウトしときゃ良かった。。。
あ、オーナーの孫ちゃんとの写真、持っていこ⋯
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
翌日
母が用意してくれた朝食を食べ、家を出ようとすると、今回も別荘でお友達と食べなさいと食材をたくさん持たせてくれた。風と雷を連れて車に乗り込む。
駅のロータリーには、空の車がもう停まっていた。
「あーくーまーちゃん!おはよん」
「朝からやかましい!」
「トッティー、おはよう。今回もお世話になります」
「空、おはよう。」
「悪魔ちゃんったらワンピースに綺麗にメイクして、気合いいれちゃってさ〜」
「普通や普通」
「僕達だけの時はすっぴんの時もあるじゃん」
「夏月と空と3人でメイクする意味もわからんし」
「愛しのホクトシチセイちゃんがくるもんねー」
「トッティー、なっつん、コンビニ行ってくるよ。皆の飲み物も買ってくるけど何がいい?なっつんは甘いカフェオレでしょ?」
「よくお解りで。さすが、愛を感じるね〜」
「私は無糖の紅茶、なければ砂糖入ったストレートティー。」
「了解。ホクトちゃんも同じでいいかな?」
「七星は甘党やから、甘いミルクティーがええなー」
「了解。行ってくる」
「はいよー」
「いってらー」
「悪魔ちゃん、今回のお泊まりでホクトシチセイちゃんに告っちゃう?」
「アホか。七星は10も違うんやで」
「恋愛に年齢関係なぁい」
「ストレートやったら、引かれるだけや」
「自分と空ちゃんはベタベタは控えれないから、悪魔ちゃん達もラブラブしちゃってねー」
「どう頑張っても姉妹やろ」
「そうかなあ?w」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
-NAHO-
ついに当日。
楽しみ過ぎて、すっごい早起きしちゃったから、丁寧にメイクして、髪も巻いてみたりして、お気に入りの黒×パープルのワンピースを着て、電車の中でおじいちゃんに私の部屋に飾ってある、金髪時代の写真をメールで送ってもらった。一緒に写ってる女性、私がピアスをあけるきっかけになった人が、昨日久しぶりにおじいちゃんのプラネタリウムにきたらしい。私も会いたかったなぁ。私の事覚えてくれてたって嬉しいなぁ。あっという間に高校時代毎日通った神川駅に降りた。
なーんか最近まで通ってたのに懐かしい感覚。
「ホクトちゃん?」
ロータリーに向かう階段を降りたとこで後ろから声をかけられた。
「からちゃ。おはようでーす」
「おはよう」
「飲み物買ってきたんだ。トッティーもなっつんも向こうにいるよー。ホクトちゃんは甘党だから、甘いミルクティーがいいってトッティーの助言で、ミルクティーにしたよ」
「わあ。嬉しい!」
「七星!」
「りおちゃ!おはよう」
「ホクトシチセイちゃん。おはよん」
「なっちゃ。おはよーです」
「かーらーおかえり」
なっちゃがからちゃに抱きついた。
カップルだもんね
それにしても、今日のりおちゃ可愛すぎるし綺麗すぎるよー///
「今日の七星、一段と可愛いなぁ。髪巻いてるの似合いすぎやろー」
「ありがとう///りおちゃも可愛いし、綺麗すぎるよー」
「惚れてもええよー。七星、私の車にどうぞ。後ろに風と雷が居るから、助手席に乗ってなー」
りおちゃの車⋯ドキドキ⋯
「もう惚れてるよねー?ホクトシチセイちゃんw」
「な⋯なっちゃ//////」
「カバンにハンドメイドのレインボーリボンつけちゃってw悪魔ちゃん愛が凄いねw」
「小さくしたのに⋯」
「密室の2人きりのドライブ楽しんでw」
「なっちゃ///」
なっちゃは笑いながらからちゃの車に乗り込んだ///
#6につづく
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