第29話

銀色にさざめく湖水を見つめた後、光はかぐや姫を向いた。

「かぐや。おまえは?」

蒼い輝きの発光で、かぐや姫は薄い影のようにしか見えない。

「私は。月神なの、光。死した後は・・・・・・星になり、あまたの人々を導く輝きを永遠に放つ宿命。その時間を、ほんの少し、遅らせたの。私は、あなたと。どうしても。どうしても、いたかったの。光。あなたを、この世界に千年も閉じこめてでも・・・・・・・」

愚かな娘。

哀れな娘。

夜輝天女の声が響いた気がした。

光はしばし黙った後、呟いた。

「星になる?宿命?」

「ええ。そうよ

・・・・・・この世界は、無に還るわ。

だから、早く・・・・・・きゃ!」

言葉の途中でかぐや姫の身体がひょい、と横向きに抱き上げられた。

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