第3話

かぐや姫の中に、過ぎた日が蘇る。

千年前の日本に生きた高貴な女は、夫となる男と両親、そして侍女にしかその姿を見られてはならなかった。

だから、かぐや姫も外出はおろか部屋から出ることすらも禁じられていた。

月へ帰りたい、こんな御簾の中に閉じこめられるのはもうイヤ。

そう言っては月へ向かって手を伸ばし、泣き続けるかぐや姫に、そばに控えていたハクは困ったような表情を浮かべる。

『ここが、一番安全なのです。御簾の中だからこそ、かぐや姫様がほんとうは人間ではないこともごまかしていられるのです。月の戦いが終わればすぐにもお母様がお迎えに来られますから、もうしばらくお待ち下さい』

かぐや姫は激しくハクをにらみつけると、手近にあった脇息を投げつけた。

「い、いたい・・・・・・」

ハクはそれを顔面に受けてしまい、涙目になりながら赤くなった鼻を押さえる。

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