第十九章 望樹の実
第2話
澄み渡る湖をのぞきこんでいた美しい女の黒髪がさらさらと揺れ動く。
水面はかすかにゆらめき、底からふわりと浮かび上がってくる何かの影があった。
影へ向かって差し出した白い手の中に、月の石がしゃらしゃらと鳴り響く髪飾りが入り、きらきらと輝く銀の糸が絡みつく。
「・・・・・・龍のたてがみ。飛翔する、力。
そして・・・・・・」
髪飾りから滴る雫に、美しい瞳を閉じる。
「・・・・・・涙・・・・・・」
助けてください、
かぐや姫さま・・・・・・。
「・・・・・・想い・・・・・・」
ため息をついたかぐや姫は蒼天の空を見上げる。
散らばる星の輝きが、幻想的な美しさで包み込む。
再び、閉じたまぶたの奥に。
『かぐや姫さま』
ハクの穏やかな笑みが浮かぶ。
どんなわがままを言っても受け止めてくれた、優しいハク。
私が地上で過ごす間、全身全霊で守ってくれた、忠実な龍。
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