第29話

「ほんとうだ。少し、熱がありますね。後で、麦門冬(薬草)採ってきますから」

「ミミズじゃないんだ」

ハクの機嫌が治ったのとミミズを飲まされずにすんで心からほっとする。

「気に入ったなら取ってきますよ?ミミズも発熱には効きます」

「い、いらない。・・・・・・薬草より。今夜は、そばにいて。ハクずっと、ここに来てからは狩りばかりなんだもの。」

ハクは、月に一度は動物の生肝を食べないといけない。

それは、わかっているけど。

こんなに毎晩出かけたことなんてなかったのに。

「生肝なら、鴨のが・・・・・・あ!もしかして、凌兄ちゃんに気遣ってるの?そんなの、ほうっておけば・・・・・・」

言いかけた言葉は優しいキスでふさがれた。

「彼は。あなたを本気で心配しているんです。龍と一緒の部屋に寝て、怒りを増幅させることもないでしょう」

「ほぅっておけばいいのに」

ため息をついた美花穂にハクはそっと微笑んで囁く。

「でも、今夜は一緒にいますから。体調がよくないなら温めないと」

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