第六章 和彰の手紙
第2話
真夜中。凌はガタリ、と裏口の扉を開けた。
悪寒と共に胃の中のものがせり上がってくるような感覚に目を覚ましたのだ。
離れた小屋にあるトイレへと向かいかけたが、とても、間に合いそうもない。
雪の舞い始めた庭先で植え込みの影に隠れると同時に、激しく嘔吐した。
ちょうどそのとき夜の狩りを終え、林から出ようとしていたハクは凌に気がつき、「おっと」と呟いて静かに身を潜める。
胃は絶え間なくけいれんし、夕食が消化されずにすべて出て行くのがわかる。
ここ数日。普通の食事を口にしても平気だったから、すっかり安心していた。もう、蟲が冬眠している間は人間らしいものを食べても平気なのだと。
・・・・・・妖怪の肉を食べる必要は、ないのだと。
「効力が、切れたか」
凌は自嘲気味に呟く。
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