第7話

それだけ言うと私はもう振り向かずにさっさと歩き出した。

「あっ!仙女さま、どこへ行かれるんです!!!待ってください、お礼はしますから!!!」

魚はひょろひょろ飛びながら後を追いかけてくる。

無視をしようにもえんえんとしゃべりながらぴったりくっついてくる。

もうすぐ公園の出口だというのにこんなのにくっついていられたら目立ってしかたない。

「うなぎにやってもらいたいことなんてないわよ!!」

仕舞いに怒鳴りつけてくるりと振り向くと、砂場で遊んでいた4歳くらいの女の子が目を丸くして私を見た後、思いっきり泣き出した。

どうやら女の子を怒鳴ったと思われたらしい。

「ちょっと、あなたなにしてるの!?」

つぎの瞬間血相変えた若いお母さんが飛んで来て女の子を抱きかかえた。

「あ、ち、違うの。これがしつこくて・・・。」

私がしどろもどろに魚を指差すと、お母さんは眉ねを寄せてその空間を見た後、

「何がいるって!??なんにもしてない子どもに怒鳴らないでよ!!!」

あまりの剣幕に私はごめんなさい、と蚊のなくような声でつぶやいて逃げ出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る