第4話

 通称:ロボ子さん


 顔は特上。透明感のある真っ白な肌。宝石のような大きな瞳。それを覆う長い睫毛。胸元辺りまで伸びるふわさらの栗色の髪。抜群のスタイル。


 成績は恐らく上。運動神経もきっといいだろう。もちろんその他大勢の意見と自身の少ない情報量における勝手な想像である。マジマジと見たことはないので。






「んで? 間近で見てどうだったんだよ。やっぱりロボットだったか」


「失礼なこと言うなよ。ちゃんと人間」


「ほんとかよ」


「……恐らく人間」


「ほらな」






 ロボ子の『ロボ』は『ロボット』のロボ。


 見た目は、まるで作り物かと思うほど綺麗で美しい。けれど、冷静沈着なのかどうなのか。いつもどこか冷たい印象のポーカーフェイスで、誰も笑ったところを見たことがないんだとか。



 そして、なんでもきちっと完璧にこなすその姿は、まるで高い知性をもつ人間型ロボットのようだ、と。誰かが話してるのを聞いたことがある。



 誰がそんな名前を付けたのか。そして本名は一体なんなのか。知る人は少ないという噂だ。


 斯く言う告白された俺も知らない。知ってる人はもちろんいるんだろうけど。






「普通告ってくるならちょっとくらい変わるだろ」





「そこんとこどうだったんだよ」そう聞いてくる友人に、真顔で一言。









「緊張してそれどころじゃなかった」


「妄想決定」

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